2015.1.2 マーガリン&ショートニング

後期高齢者の仲間入りをした私達が言うことでは無いかも知れないが
食品添加物が このところやたら気になる

働き盛りで子育てに忙しい我が娘に言わせれば 「そんなことを気にしていたら 食べるものが無い!」
とまで言われる しかし30年近く悩まされている「花粉症」をどうにかしたいと思い 行き着いた先が
「食品添加物の摂取を控えれば 症状が軽減するかも知れない」という方法である

現在摂取を控えようとしているのは 細胞膜に残存し 器官的には皮膚や粘膜 そして血管などに
悪影響を及ぼすとされる「トランス脂肪酸」を多く含む 「マーガリン」と「ショートニング」である

1813年(文化10年)フランスの化学者ミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールが 動物性脂肪の研究から
マルガリン酸を発見した マルガリン(マーガリン)はギリシャ語の<margarite:真珠の意>に由来し
真珠のように美しく輝くという性質を表現したものである マルガリン酸は飽和脂肪酸の一種で
水に溶けにくく油によく溶け 天然にはほとんど存在しない脂質である

1869年(明治2年)ナポレオン3世によりバターに代わる安価な製品が募集され これにフランス人の
イポリット・メージュ=ムーリエが 牛脂に牛乳などを加え硬化したものを考案し採用された
これには「オレオマーガリン」という名称がつけられ 後に省略して「マーガリン」と呼ばれた
その後 オランダのアントニウス・ヨハネス・ユルゲンスがこの特許権を買収し
サミュエル・ヴァン・デン・バーグと共にマーガリン・ユニを創業し 今のユニリーバに繋がっていく

19世紀末になると ニッケル触媒を用いる水素添加反応により植物油を硬化させる方法が見出された

20世紀に入ると この硬化植物油を原料とする合成マーガリンの製造が始められた

特に第二次大戦中において 米国では乳製品の不足から合成マーガリンが本格的に製造され
大戦後マーガリンといえば通常この合成マーガリンを指すようになった
人体に影響を及ぼすトランス脂肪酸は水素添加反応により生成された

日本では 昭和39年(1964)に ユニリーバと豊年製油の合弁会社・豊年リーバ株式会社を設立
昭和41年(1966)マーガリンの「ラーマ」を販売開始 バターなど動物性脂肪に比べ 遙かに健康的な
「植物性油脂」を原料とした「マーガリン」が 圧倒的に体に良いと宣伝啓蒙された
また植物性油脂は肥満を招かないという神話も生まれ 現在に至るまで多くの消費者がそれを信じている

2003年のWHO/FAOの報告書では トランス脂肪酸は心臓疾患のリスク増加との強い関連が指摘された
それにともない 摂取量は全カロリーの1%未満にするよう勧告された

トランス脂肪酸の摂取量の増加に伴い認知機能が低下することも観察され
こうした科学的な研究報告の結果 トランス脂肪酸の削減政策を行う国が出てきたが
メーカーによる トランス脂肪酸の使用を低減させたことにより 逆に飽和脂肪酸の使用量が増加し
飽和脂肪酸での肥満・動脈硬化などの健康被害が危惧されるという主張も出てきた

飽和脂肪酸も心臓疾患との関連から WHO/FAOはトランス脂肪酸の10倍の許容量である10%を上限とし
双方ともに低減を目標とすることが示されている
例えば子供の健康を考えた加工食品の指針を アメリカ政府関連機関が合同で提案したときは
以下のような基準が提示された

食品医薬品局・疾病対策センター・アメリカ農務省・連邦取引委員会の4機関は
肥満増加の対策として 2011年4月28日に 子供に販売する飲食品の加工食品1食品あたりの上限を
飽和脂肪酸1グラム・トランス脂肪酸を0グラム・砂糖を13グラム・ナトリウムを210ミリグラムとした

このように トランス脂肪酸の危険性にいち早く気付き マーガリンや同じくトランス脂肪酸を
多く含むショートニングの製造と販売を禁止する国も出てきており
大半の先進国ではトランス酸の含有率表示を義務づけているが 日本においては表示の義務はない

ショートニングは 植物油を主原料とした常温でクリーム状の食用油脂で
やはり水素添加反応による植物油の固形化により製造され 無味無臭の純度の高い合成油脂である
パンや焼き菓子の製造などに バターやラードの代用として利用される
製菓に使用すると「さっくり」と焼き上がり 揚げ油に使用すると衣が「パリッ」と仕上がる

この様に「さっくり」や「パリッ」という食感を表す意味での英語形容詞<short>が語源である

店舗などでラードや揚げ物油の代用も可能で この場合添加物としての明示義務はなく
総菜店やファーストフード店及びファミレス等での使用も考えられる

トランス脂肪酸そのものは自然界の食肉などの油脂にも含まれるが この場合自然分解される
しかし 人工的に植物精製油に水素添加を行い生成されるマーガリンやショートニングに含まれる
人工的に作られたトランス脂肪酸は非常に安定しており 分解=「いわゆる分子が瓦解」しないため
食べるプラスチックとまで言われるようになった

安定していると言うことはどういうことかと言えば 腐らない 酸化しない油脂であり
数年前の実験では マックのフライドポテトは 6ヶ月たっても腐らなかったと言われた
スーパーの総菜などのフライ物で いつまでも揚げたてのパリパリ感があるものは怪しいと言って良い
揚げ物には「ラード」がよく使われてきたが 長期にわたり使い回しの出来る
劣化しない「ショートニング」を使う所が多い 調理に使う場合 添加物にはならず明記する必要も無い
自然由来の食物は必ず劣化し腐敗するものである

詳しくはネット検索すれば解るが 自身の花粉症にこれら添加物の摂取を控えることが良いとした理由は
ネット上にはあまり見られなかった
しかし アトピー性皮膚炎が トランス脂肪酸の摂取をやめてから劇的に改善されたという記事を見て
鼻粘膜のダメージを防ぐため 次の花粉症季節にはどうなるか試してみよう思った訳である

トランス脂肪酸の摂取を ほぼ停止してから約2ヶ月以上経つが 改善の兆候はすでに出てきた
この季節 朝の空気の冷たさだけで鼻がぐずついていたが 夫婦ともに 今季はまだその症状が出ない
ティッシュペーパーの使用量がかなり少なくなっていることでも解る 最終結果は5月頃となるが
効果の如何に関わらず 添加物には気をつけていきたいと思う

それでは食べるものがあるかという問題だが 以下の物にはマーガリン・ショートニングが添加されている
市販の食パン・菓子パン・ケーキ・クッキーなど小麦粉を使った物の大半 但し未使用の物もある
また バケット・パンにはマーガリンが使われていないこともある
小麦粉使用の菓子には多く使われているが 輸入品には使われていないものが多い
賞味期限の短い「和菓子」には 添加物が少ないものが多い せんべいなどの米菓も比較的安全
ただし醤油を使用した物は 醤油の添加物が不明で気になる
ベーカリーショップや総菜屋で加工直販されるパンや総菜の添加物については明記されないことが多く
確認出来るなら聞くか また出来ない場合は購入しない方が良い コンビニではパン類よりも
おにぎりが その中身によるが比較的安全と言える セブンの食パンには使われていないらしい

その他気になる添加物はカラメル色素で なるべく避けている カラメル色素はT〜W型まであるが
T型が砂糖を焦がした昔からあるもので その他の型は発がん物質とされ U型は使用禁止
VとW型が多く使用されているが 日本の場合全て「カラメル色素」と明記され型まで解らない

人口甘味料もなるべく避けておきたいものである

他に 冷凍麺や生麺製造の過程で麺をゆがく場合 湯の泡立ちを押さえるためシリコンを投入する方法が
採られているらしい 製造工程で使われるこれらのものは 添加物ではなく成分が残留しないことと
なっているため明記しなくても良いらしい なので私は麺をゆがいた湯は使わずに棄てる
多くの食品工業は製造過程で 多種の薬品や資材を使い効率を高めようとしていることを忘れてはならない

食品の購入に際し パッケージの裏を確認することは重要である

2015.6.7 マーガリン&ショートニング 非摂取レポート

花粉も終息したのでレポートする
この春は案外雨の日が多く 例年と花粉の飛散状況が比較しにくいこともあるが
今年の花粉症は 昨年よりかなり改善したように思われる
パブロン鼻炎薬の服用も 例年なら1箱48カプセル程度を使い切っていたが 今年は2回程度の服用で
乗り切っている マスクの出番も少なかった このことから
「マーガリン&ショートニングの非摂取」は効果ありとして今後も続けていく

2016.2.27 花粉症レポート

今年は1月末から杉の花が咲き始め 今は家の周りの杉は赤く色づいている
現在ウォーキングでもマスクなどの対策は一切していないが症状は出ていない
3月1日現在 鼻は大丈夫だが目が痒い

2020.4.24 花粉症レポート

今年も1月末から杉の花が咲き始め 油断していて花粉症を引き起こした 一度ダメージを受けると
鼻水が止まらなくなる 昨年は眠くならない鼻炎薬を試したが私には効き目がなかった
昔ながらのパブロン鼻炎役を使うが 摂取量は規定の半分で効く ハウスダストによる鼻炎は起きない
鼻の粘膜が強靭になった実感はある 花粉症に困っている人「マーガリン&ショートニングの非摂取」
試す価値あり 根気はいるが数ヶ月で結果は出る 粘膜細胞を強くすることは良いことだと思う
桜咲く頃に鼻炎は収束したが その後はコロナウィルスで外出自粛中

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