2007.6.14  「スィーツ」ってなんや?

この頃「スィーツ」という言葉をよく聞く と言っても私の周りの人たちが使う言葉ではない
おおよそのところ マスコミ関係か情報関係かといった人たちが 先取感で多用するようである

先日も 某国営放送で「スィーツ」についての座談をしていたが
出演するパーソナリティやゲストが「スィーツ・すぃーつ」と叫んでいた

しかし 肝心の視聴者からのメールやファックスには 全くというか皆目使われてはいなかった

そう お察しの通り「甘いもの」と言う表現が 一般的に使われていた

それにもめげず 番組は 「スィーツ・すぃーつ」と叫び続けるのであった

団子や大福餅などを「和スィーツ」と言ったり
甘味処を「スィーツ屋」など呼ぶに至っては笑ってしまった

偏見ではないが(いや!やはり偏見かな?)若い女性が言う分には 抵抗が無いが
いい年のオッサンが「スィーツ」と叫ぶと
自分もオッサンであることを忘れ 心のなかで「何ぬかしとんねん!」と大阪弁で突っ込んでしまった

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「スィーツ」をアルファベットにすると<sweets>となるのだろうが
調べても そんな英単語は出てこない まったくの「和製英語」かも知れない

ヴォーカルダンスユニットの名で<sweetS>があるし コミック本の題にも<sweets>があるが
しかし「甘いもの」という意味の「スィーツ」と どちらが先に出来たのかは判らない

英語の<sweet>は形容詞であり 名詞ではないのでその複数形は「有り得ない」ということである

普通は <sweet〜>と言う風に 後ろに名詞を付けるのだが
イギリスでは <sweet>を名詞として使うこともあるそうだ
この場合は 日本語の「甘い物」という意味合いだろうが やはり複数形は無いようである

故に 海外へ行っても けっして<sweets>などと言ってはならない 通じないであろう

しかーし 日本国内で 「スイーツ」と言って普通に日本語として通じる地域がある

それは「大分県」である


大分では 黒い物を「くりーッ」 白い物を「しりーッ」 古い物を「ふりーッ」などと言う

襞のあるスカートは「プリーツ・スカート」だが 古いスカートを「スカートのふりーッ」と言って
福岡の店員さんを惑わしたのは 近所の「おばさん」である

だから 大分では 「すいーッ」と言っても通じる筈である が 意味が違うため
甘い物が欲しいのに 酢の物が出てきたりしそうなので 大分県内では言葉の使用に注意が必要である

私の母は関西生まれで 夏みかんなどを口にすると「すぃーなー」と叫んでいた
幼い頃から 耳にタコが出来るくらい聞いているので
「スイーッ」と聞くと「甘い物」ではなく 昔の酸っぱい夏みかんを思い出し 口の中に唾液が充満する

日本語には 言霊の響きがあるという

「あまー」と言うと甘く 「すぃー」と言われれば酸っぱく感じてしまう
少なくとも 私はそうなのである

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