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 going閑都離
田舎暮らしへの憧憬
若い頃から旅やハイキングの道すがら 美しい里山風景に出会うことがあると ここに住んでみたいと常々思いを巡らせていた
特に信州などでは田舎に対する憧憬は深まり 人の手で手入れされた自然は 美しく清々しいものであると感じていた
しかし 人の手が及ばぬ自然は「荒々しく人には厳しいもので その姿は必然でもある」という臆病な自分も持ち合わせていた

自然に対する憧れは若き故に漠然としたもので 「保養所の管理人」を理想的職業として 冗談めかして語ることもあったが
自然の厳しさには到底思いもよらぬ輪郭のぼやけた願望であった 二十代後半に 突然に九州転勤を命じられたことが
今から思えば一つ目の転機であったように思われる 一年間の赴任予定が延び延びになり その間 久住・阿蘇・霧島など
九州の大自然に接し感銘を受けていたこともあって「この地に骨を埋める覚悟を」といわれ そのまま九州に居座ることにした

一度は「退職をしてペンション経営を」と真面目に考えた事もあったが 資金力と運営の難しさをまざまざと見せつけられ
一挙に熱がさめてしまい 田舎生活など夢のまた夢とあきらめてしまった

子供が生まれ 漸く10年を経て中古住宅を買った その途端に突如 転勤辞令が下された 今更感のある赴任を拒否して辞職
地場企業へ再就職するも 結局 脱サラして独立した それから10年も経ずして 携わる職種のIT化が始まった
PCの導入にいちはやく踏みこみ 仕事のやりとりはメール・成果はメール添付でデーター送付などが日常的となり
世の中に「SOHO」という言葉が出現して 俄に田舎暮らしの夢が現実味をおびてきた
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