2006.6.16  猫の死

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我が家には5匹の猫がいる 先日外で飼っていた一匹がこの世を去った 死因は悪性の腫瘍だと思われる
2週間ほど餌を食べず 死場所を捜すようにしていたが 最初から飼っていた所にケージを作ってやると
深夜 その中で静かに逝ったようである 田舎に来て二匹目の猫の死を看取った事になる

動物は本能的に死を感じとる事は出来ると思うが 自身が「いつかは死ぬ」という事は考えられない
ここが 人間とそれ以外の動物の違いだと私は考えている
我々の祖先は木から下り立ち 大地を直立歩行をすることで頭蓋骨の容量が拡大し
脳が肥大化し また前頭葉が発達して 知能と感情を得たことは周知の通りである

「ヒト」は成長につれ ある程度の知能を獲得することで 幼い頃から他人や動物の死を看取り
生命には限りあることを自覚し 意識の奥底にそれを焼き付ける
この死に対する本能的ともいえる自覚と覚悟が 「ヒト」が「人」である根本だと思っている

我々「人」が持つ時間という概念は 限りある命から生まれてきたものだと思えてならない
そしてその事が 人間社会の文明を生む原動力ではないかとも私は考える

人が自分の命に限りが有ることで「時間」と言う概念が生まれ
生物的本能までそれを昇華させてきたといえる
「限られた時間」内に如何に多くの可能性を生むか また死を恐れ延命を願い 死を忘れたいと思う時
そこに文明が育まれ 文化が生まれるのではないだろうか

とにかく「人」は急ぐ 特に現代人は忙しく駆け回る
映画[E・T]に登場する他星人のように 400年ほどの寿命を与えられたら
もう少しのんびり暮らせるとは思うが

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