2006.7.1  トマト

知人から 「昭和の残像を読んでて思ったのですが今のトマトって昔のトマトと種類が違うのかな
何だか私には旨いと思ったことがないんですよ。味が凄く薄かったり今はやりの奴は
妙に甘くて! 昔からあるトマトの苗か種って手に入るのですかね?」と言われた
調べてみれば トマトの原産地は南米アンデスの高原地帯に自生していた物が原種だとか
川や湿地のある肥沃な平野で育った食物ではないようです
ここに「トマトの育て方」のヒントがあるような気がします
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原種のトマトは「ミニトマト」よりも小さく 約1cm程度の実をつけ「マイクロトマト」ともいわれる

栽培品種は 戦前から「ポンデローザ」と言う品種が主に栽培されていて
これが昔からの味だと言われているが この品種は 実が熟すと皮が薄いためつぶれやすく
その為「完熟したもの」は市場には出荷されず 少し早くあおいうちに収穫され
店頭に並ぶ頃に赤くなるように出荷されたので 特に酸味が強く感じられたのかも知れない
しかし今出回っている「桃太郎」よりは酸味が強く
特に 真夏のトマト畑のむせかえるようなあの匂いは 今は遠い昔のような気がする
私は あの あおぐさい匂いが苦手で 子供の頃はトマトが嫌いであった

キュウリにも同じようなことが言える
以前はトゲトゲがあり 熟すと白く粉がふいたもので もう見かけることもなくなった
白い粉が残留農薬と勘違いされ それが原因で店頭から姿を消したといわれる
それともうひとつ野菜を変えてしまったのは 消費者の味覚志向で「甘い方が良」としたことである
これは 戦中 甘い物に飢えていた世代が 戦後の中心的存在だったことも一つの要因かも知れない
我が母に至っては 今でも「甘い菓子」を絶やすことがないほどであった

もうひとつ さらなる原因は流通である 以前は地産地消が当たり前で
旬で完熟した物が店頭に出たものだが 今では遠くから運ぶ必要があるため 梱包を考慮して
「キュウリ」はまっすぐで短く 先から元まで一定の太さの物が作られるようになった
トマトも糖度が高く 皮が固くても果肉はあくまで柔らかく 又みずみずしくなければならない

では どうしたら昔のようなトマトや野菜が食べられるか
それは自分で作るしかないのである トマトやキュウリは 家庭用プランターで出来るのと
そして あまり肥料も水もあまりやらなくて良いのだそうで 「過保護はいけないのです」と
子育てで苦労してきた我が家の農業部長さんは確信を持って言うのである
食物が実を付けるのは 子孫を残すためであり
実を美味しくして動物に食べてもらうために 一生懸命に味も調えるらしいのである
過保護にするとその「一生懸命」の力が出ないそうである
大阪万博だったと思うが 水耕栽培の大きなトマトの木があった
あのように過保護にすると 自分の体ばかり大きくして実はあまり付けなくなるそうで
もし自分の作っている作物が やたら大きくなるときは「過保護」に育てていると思っていいらしい
この逆が 葉を利用する茶の木で 花実をつけさせないようにとくに過保護に育てるそうである

さてトマトの品種であるが 昔の品種は残っていないようで
タキイから”強力米寿”という近似種が出ている これを自分で育てることが一番である
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