量り売り

今のように郊外に大型店舗が出来て 車で買い物に出かけるなど及ばない時代は 醤油も味噌もそして
菓子類に至るまで 全てが量り売りで購入出来て必要な分だけ買えた時代でもある
醤油などは”なくなって”から一升瓶を持たされ 駅前の商店へ買いにやらされるのだが
急ぐときは「自転車の三角こぎ」でいく これでも歩くよりは速く 走るよりは楽であった
駅前の商店と言っても食料品を商うのは一軒しかなく 食料に関する限りでは「萬屋」的存在だった

家庭菜園は当り前で野菜は自家製が多く 豆腐や干物・鮮魚などは行商が来るのが普通であった
夏などはアイスキャンデーやわらび餅などの行商人がいて 豆腐屋と同様に”チリン・チリント”と鐘を鳴らしながら
やってくる 食品の包装も今とは違い 肉などは「竹皮」や「経木」が使われ 魚は新聞紙 菓子は紙袋だった
豆腐などは鍋を持って「チリン・チリン」と鐘が聞こえたら走っていく
主婦は買い物に行くため必ず買い物かごを待っていったもので そういう点家庭からゴミはさほど出なかった

スーパーダイエーが大阪千林商店街で産声を上げた昭和32年から 瞬く間に流通が様変わりして
パッケージが変り流通のために商品までが変化をした 思えば「流通」の独走が先行して
社会的システムや消費者の啓蒙は「後手」となって 今日に至るまで「試行錯誤」を繰り返すこととなる
経済的変化に対し「立法・行政」は はなはだ鈍重で怠惰である
スーパー等大型店舗の進出で各地の商店街は壊滅し 「パラダイス」ともいうべき「駄菓子屋」は姿を消した
hakari
自転車の三角こぎ
  子供用自転車のなかった頃(高価で買えなかった)自転車フレームの三角部分に片足を入れ
  ペダルをシーソーのように「こいで」走る方法 なのであまり早くは走れない
経木(きょうぎ)
  飛鳥時代から主に「写経」等に高価な紙の代用に使われその後包装用にも使われる
  包装材として日本最古の歴史がある
  杉や檜を薄く剥いで作られ現在でも 竹皮と同様「高級和菓子」などの包装に使われる