ランプ生活

小学校に在学中のこと 兄の同級生に 神社宮司の子息がいた この宮には千古の昔から立派な杜が有り
その外れ四方を田に囲まれた所に宮司の家はあった 無論宮司の家に行くには杜を抜けなければならない
lanp
杜と田に囲まれた彼の家には電気が来ていない 電柱を建てる土地がないのであろうが
昭和30年も中程になるというのに このような都市部では珍しいことではあった
しかし山間部の集落 特に紀伊半島奥地ではさほど珍しい話でもなく ランプ生活は当然であった時代である
後年 ランプの一軒宿という特集を組んだ雑誌も目にするようになるが 旅と毎日の生活では大違いである

ランプの中心部・ガラス部分は火屋(ほや)と言い きわめて薄いガラスで出来ている
この部分は煤で曇るため毎日の掃除が欠かせない それも手の小さい子供の仕事である
それでも昔の子供は器用なもので火屋でけがをすることは無かった
京都嵯峨野に昭和40年代まで「ランプ屋」と言う店があり 替え芯や火屋も売っていた
現在閉鎖中のえびの高原・えびの市営露天風呂も 以前は午後8時以降はランプであった

今でもランプは実用品として売られている 癒しの一品かも知れない
Link:江戸川屋ランプ http://www.edogawaya.com/
Link:有限会社 永田蚕具店 http://www.nagata-zang.co.jp/lamp.html