冷蔵庫

我が家の冷蔵庫の歴史は井戸から始まる その頃は大都会を除くとどこの家庭にも井戸があった
一年を通しほぼ一定の水温に保たれ 夏冷たく冬暖かくといった感じである
夏にもなれば西瓜は買ってきたままつり下げて井戸に浸しておく 西瓜は必ず編み目の大きい袋に入っていた
今でも一個丸ごと買えば入っている あの赤い紐で出来た袋である
魚や干物生ものなどは「ざる」に入れそのまま井戸水につからない程度に釣り下げ サイダーや飲み物は
汲みおいた井戸水で冷やす 特に冷えたトマトやキュウリなどは今のように冷蔵庫で冷やすよりも美味かった
乾燥しないことと適度なチルド温だったのだろう
その後氷を入れて冷やす冷蔵庫が我が家に来た 木製ニス仕上げ家具調の頑丈な箱に内側はブリキ貼り
上部の室に氷を入れ 下部の室に冷やしたい物を入れるのである
氷を絶やさず入れておかなければならないのだが 夏休みともなると朝から我々が自然に溶けるのを待たず
氷を欠き割にしてほおばる物だからあっと言う間に氷は無くなってしまうのである
氷は三輪トラックに積み筵を掛けて売りに来ていた 単位は1貫目・2貫目と言う尺貫法であった
冷蔵庫には2貫目までしか入らなかった
今考えれば電気代より高く 一般家庭用電気冷蔵庫が出来ると消滅した
冷蔵庫
電気冷蔵庫が我が家に来たのは確か昭和36〜7年頃 テレビや洗濯機より遅かった