2010.03.27 大阪市住吉区上住吉2丁目 浅沢神社遊嘉里橋

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住吉大社の境外末社で「弁天さん」と親しまれ 福の神・女性の作法・芸事の守護神として崇敬されている
万葉の昔ここから南にかけては清水の湧く大池があり浅沢と呼ばれていた 奈良の猿沢・京都の大沢と並ぶ
近畿の名勝であり とくに住吉の浅沢池は 美しく咲き乱れる杜若(カキツバタ)で歌人たちに愛され
万葉集をはじめとする多くの歌集にその名をとどめている 昭和に入って「忘水」と称された浅沢の清水も枯れ
杜若に変わり明治神宮から花菖蒲が移植されていたが 1997年細江川改修の一環として浅沢に新しい水脈を加え
各地の原種の杜若を集め 往時を偲ばせる「かきつばた園」が復活した
「浅沢の杜若」は住吉区民の花として親しまれてきた花である
万葉集:作者不詳  住吉の浅沢小野のかきつはた衣に摺り付け着む日知らずも
意味は「住吉の浅沢小野のカキツバタを 着る日はいつになるか分らぬ衣に(私は)摺りつけている」
女性の片思いの歌でしょうか それとも恋に憧れる乙女心でしょうか
親柱に橋名「遊嘉里橋」とある 広辞苑に:ゆかり【縁・所縁】を引けば
1.血のつながり 2.赤紫蘇の葉を乾燥させ粉末にしたもの(紫蘇ふりかけ)とあり 他に
ゆかり‐の‐いろ【縁の色】(古今集に「紫の一本ゆゑに武蔵野の草は皆がらあはれとぞ見る」とある歌による)
【紫色】拾遺愚草上「春も惜し花をしるべに宿 からむ―の藤の下陰」  ゆかり‐の‐くさ【縁の草】ムラサキの異称
千五百番歌合「さらにまた妻どふ暮の武蔵野に―の色もむつまし」とある 縁(ゆかり)の色または縁の草は
ムラサキの色・ムラサキの草の意味となりカキツバタをも表すらしい
「遊嘉里」は ゆかり=縁=紫=カキツバタとなる
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<上>カキツバタ園と石橋 <下>北側の常夜灯へも石橋が架かる
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