2010.05.27  京都市中京区御池通神泉町東入ル門前町  神泉苑北参道橋

<地図>
現地掲載の新聞記事
現在の「神泉苑」は二条城の南側にある真言宗寺院で、境内には小さな園池と神社があります。ところが、
今から1200年前の平安時代には、東西約250m、南北約520m、面積13haにおよぶ広大な敷地がありました。
この禁苑(天皇のための庭園)は、平安京造営とともに整備され、桓武天皇をはじめとして歴代の天皇が頻繁に
儀式や宴会などに利用していました。記録によると、苑内の中央に大きな園池があリ、北側に中国風の殿舎が
立ち並んでいたとされています。1990〜93年に実施された京都市営地下鉄東西線建設に伴う調査では、
池の汀や船着き場、遣水、小橋の跡などが発見され、神泉苑の一部が明らかになリました。
ここは京都盆地内の水脈にあたる場所で、平安京造営以前から存在した沼沢を利用して、園池や庭園が
整備されたことが調査の結果分かりました。また、緑色の釉薬を施した緑釉瓦が出土したことから、
苑内の建物には平安宮の大極殿や豊楽殿と同じように緑釉瓦が葺かれていたと推測されます。
神泉苑では空海が雨ごいを行った話が有名ですが、平安時代中ごろには、疫病を鎮める祭り(御霊会)が
催されたり、日照りの時には池水が開放されて生活用水に使われたことも伝わっています。
しかし鎌倉時代以降は荒廃し、園池の水が農業用水に利用されたりしたようです
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寺域の北門から続く参道にある石橋 食事処「平八」の専用橋ではない
「平八」は寺の「平安殿」を借り営業しているのである 船は平八の座敷
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南側から撮影
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