2013.08.14 岩国市美川町根笠 地底王国 美川ムーバレー/岩国市 錦帯橋・西岩国駅

8月13日-17日 山口県東部 車中泊旅 山口-岩国-周防大島-柳井-上関-光-防府
2日目 岩国市錦町 道の駅ピュアラインにしき - 柳井市神代 大島大橋大畠パーキング

前夜は「道の駅 ピュアラインにしき」で車中泊 日中は賑わっていたが 営業時間の午後6時を過ぎると
4台ほどの車が残った 錦川清流鉄道の錦町駅近くの国道沿いに スーパー・サンマート広瀬店があり
また同敷地内にはコインランドリーもあるので便利である
道の駅に隣接して錦町農産加工株式会社の本社工場があり 深夜から早朝まで車の出入りがあるので
就寝のため耳栓は欠かせない それを除けば夏でも涼しく気候的にも快適な場所である

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8月13日 18:00 錦川鉄道株式会社 錦川清流線 錦町駅
旧国鉄岩日線の岩国-錦町駅間を 鉄道路線錦川清流線として運営する山口県や岩国市などが出資する
第三セクター方式の鉄道会社 現在はタイヤ付き遊覧車の「とことこトレイン」を運行する岩日北線の未成区間
錦町-周防深川間も合わせて運営している 旧岩日線は山陽本線岩国駅と山口線日原駅を結ぶ計画で
昭和35年(1960)岩国ー河山間開通 昭和38年(1963)錦町まで開通 錦町以北の岩日北線は
昭和42年(1967)から工事が行われていたが 昭和59年(1984)年廃止決定 すでに錦町から六日市まで
路盤工事が完了していたが廃棄された 周防深川駅 - 高根口駅間にある第三須川トンネルは
現在防災科学技術研究所の錦地震観測施設として活用 六日市トンネル(高根口 - 六日市間)から
六日市温泉にかけては遊歩道として利用されている 設置未成駅は 出市・周防深川・下須川・高根口・六日市
(以上山口県)七日市・柿木(以上島根県)である
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「道の駅・ピュアラインにしき」前の寺に咲く「百日紅」の花
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6:20 早朝の「道の駅・ピュアラインにしき」

山口県岩国市美川町大字根笠字山ノ内 県道5号周東美川線 根笠川

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清流の起源
錦川の清流は 中国山地特有の地質によって 泥流の発生が抑制されて出来たものであり また上流域が同様の
地質が原因となって深い谷となり 開墾が進まなかったことも要因の一つとされる
中国山地は全般的に風化しやすい花崗岩が多く 侵食を受け小起伏の多い準平原地形を成す
花崗岩は おおよそ山陰花崗岩・山陽花崗岩・領家花崗岩の三種に区分され 山陰花崗岩は磁鉄鉱を多く含み
風化し堆積した砂鉄は中国地方における「たたら製鉄」の隆盛を招いたように
花崗岩は風化して砂礫となり 河川に堆積し河床を形成する 砂礫はなおも水流によって真砂となる
流れによって真砂は流され 後には砂礫が残る 砂礫によって川は清流を保つことが出来るのである
真砂は海へ出ると砂浜や砂丘を形成する ゆえに鳥取砂丘や瀬戸内の白砂青松は
中国山地の花崗岩が崩壊し風化して出来た真砂によって 悠久の年月を重ね作られたものである

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7:10 錦川支流・根笠川の清流 川底には砂礫が堆積し水の流れは速い

岩国市美川町根笠 岩屋観音と巨大観音水車「美川のでかまるくん」
7:20 岩屋観音
その昔 弘法大師が諸国を巡るおり 自ら樟の古木で観音像を刻み安置したと伝わる その後1000余年の間
鍾乳洞の天井から滴り落ちる水をによって奇跡的に石佛となった 江戸時代になり藩主毛利綱広にこの話が伝わり
代官に命じ山中にあった受恩庵をこの地に遷し 岩屋山護聖寺と名付けて毛利家の祈願所とした

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大水車「でかまるくん」について
美川町の大水車はふるさと創生事業の一環として平成2年(1990)に造られ、その後老朽化が進み
平成22年(2010)に改修工事が行われました。 日本の水車の歴史は、日本書紀によると七世紀の推古天皇の時代に
高麗の僧・雲徴が碾磑(てんがい=水力式脱穀製粉用石臼)を造った時に始まったといわれ、
千年以上の歴史があります。 18世紀後半には全国に普及し戦前まで盛んに活用されていました。
美川町でも昭和20年代まで使用されていました。 主な用途は精米・揚水・製粉等で日本人の生活の中で
身近に親しまれてきました。 美川町の大水車は岩屋川の上流から高架で清水を引き、上掛式で水車を回しています。
在来の水車にありがちな洪水時の流失を防ぐため流出をコントロールできるしくみになっているのが特徴です。
水車の直径は約12mです。 水車小屋ではそば粉をひいています。 水車が1回転するたびに石臼が15回転し
1時問当たり7kgのそばを製粉します。 わずかな水で大きな力をだすことができる"みずぐるま"を通して
自然ェネルギー・水資源・食文化・木の文化などについて考え、壮大で、雄々しく、ゆったりと回る水車のように
心豊かな、自然の恵みを大切にするふるさと創生でありたいと願っています。

岩国市美川町根笠 地底王国 美川ムーバレー

嘗てのタングステン鉱山跡を利用した 地底アミューズメント・パーク 夏場は涼しいかと行ってみた
坑内は「涼しい」を通り越して「寒い!」出口から出る頃には体は冷え切って 夏の暑さが心地よい
入場料:冒険アトラクション地底王国アドベンチャー 1300円 受付でLEDライトと記録カードをもらって
カード裏面の古地図を頼りに冒険開始 アイテムを探してカードの謎を解き 記念品の応募が出来る仕組み
公式サイト:http://www.muvalley.com/

美川ムーブバレーは 旧玖珂鉱山坑道43kmのうち850mをテーマパークとしたもので
玖珂鉱山の歴史は古く 銀・スズ・銅・タングステンなどの採掘が行われ400年以上の歴史を持つ
戦国時代の天正年間(1573-1591)には銀が発見され 慶長年間(1596-1614)にはスズが
幕末の嘉永年間(1847-1853)には毛利藩によって銅が採掘された
明治に入ってからタングステン鉱が発見され 明治23年(1890)より採掘が始まり 大正時代に休山したが
昭和16年(1941)に再開した タングステン鉱山として日本一の産出量を誇ったが
昭和20年(1945)に再び休山し そのまま平成5年(1993)年3月に閉山した

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8:55 人もまばらな早朝の本館 2階には宿泊施設もあり
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一番乗り 帰る頃には行列が
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インカ文明を意識したモニュメント
地底からは冷たい風 上着がいるかも
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200席ある地底ホール
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素掘りの坑道跡
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太陽の階段と黄金像
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仮面の神殿
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石柱の回廊
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壁画の回廊
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鉱車と風の回廊入り口
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光る鉱床
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石像の回廊
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霧の神殿
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地底湖
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無限の谷
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9:45 地底の滝

地底王国ムーバレーから岩国へ移動

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10:49 錦川清流線 根笠川橋梁
根笠駅 10:42発 下り525D列車 NT3000形気動車 ピンク色桜柄のNT3002 ひだまり号

山口県岩国市岩国/横山 錦帯橋

木造5連アーチ橋 全長193.3m 幅員5.0m 継手・仕口といった組木の技術に鋼の楔・和釘を用いて建造
延宝元年(1673)初代錦帯橋が完成 翌年の延宝2年(1674)流失 同年橋台の敷石を強化して再建
その後 記録によれば 江戸期にはアーチ橋部は約20年ごと 桁橋部は約40年ごとに架け替えられている
橋板や高欄は約15年ごとに取り替えられその回数は 現代まで第一橋10回・第二橋14回・第三橋14回・
第四橋16回・第五橋9回となっている 橋の耐年数以上に頻繁に掛け替え工事を行ったのは 架橋技術の継承を
計るためと推測される 元禄12年(1699)の絵図面が残り その他12枚が残る 図面によれば工事の毎に
改良が加えられ 寛政8年(1796)に現在の形状が定まったことがわかる 以後210年間は意匠形状の変更はない

平成の架け替え工事は こうした古図を参考に 設計や測量はすべて尺貫法で行われ
釘も手打ちした「たたら鉄」の和釘が使われた

頻繁に行う掛け替え工事費を捻出するため 藩内では 武士・農民など身分階級を問わず「橋出米」という税が
徴収されていた ただし橋を渡れるのは武士や一部の商人だけであった

明治以降は一般に解放され 明治28年(1895)「錦帯橋保存会」が設立され 掛け替え費用の募金活動を始めた
大正11年(1922)史蹟名勝の指定を受ける 昭和41年(1966)以降は 観光客から「入橋料」を徴収し
掛け替え・管理の財源を捻出している 昭和25年(1950)9月14日 台風により崩壊 錦帯橋はほぼ完全に流失した
昭和28年(1953)に再建 平成13年~平成16年(2004)約50年ぶりに橋体部分の架け替え工事が行われた
平成17年(2005)9月 台風14号で 第一橋の橋脚2基が流失 後に復旧され今に至る

現在 橋体に使われている木材は アカマツ・ヒノキ・ケヤキ・クリ・カシ・ヒバで
最新の架け替え工事は 全国から約7年かけて木材が集められ 100%国産材で架橋された

近年 錦帯橋のアーチ形状は カテナリー曲線(懸垂線)である可能性を複数の研究者が指摘している

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12:00 西岩国駅へ

山口県岩国市錦見 近代土木遺産 JR岩徳線 西岩国駅

昭和4年(1929)4月5日 岩徳線の岩国駅として開業 山陽本線の岩国駅はこの時麻里布駅に改称
昭和7年(1932)5月 岩徳線が岩徳東線に改称 昭和9年(1934)12月1日:岩徳東線が全通し山陽本線となった
昭和17年(1942)4月1日 西岩国駅に改称 東側に隣接する麻里布駅を再び岩国駅へ改称
昭和19年(1944)10月11日 山陽本線が柳井経由の岩国-櫛ヶ浜駅間に戻された
昭和54年(1979)開業50周年を記念して 待合室照明・ベンチ・改札口柵など駅舎の復元工事がされる

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庇の鉄骨材に流用された古レール
明治34年(1901)に操業を開始した国営八幡製鐵所で製造されたレール 製造年は1908年
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岩国市交通局バス(岩国市営バス)
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12:30 岩国を後に周防大島(屋代島)に向かう

途中で 岩国市由宇町神東 由宇歴史民俗資料館に涼むつもりで立ち寄る

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由宇歴史民俗資料館は 船舶を模した建築であるが 来客は非常に少なく ここもやはり税金の無駄遣い
館内の冷房は客が来てからスイッチオン なのでうだるような暑さ 見るべきものもなく早々に立ち去る
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予想通りのガラクタ倉庫 涼み目的で入館したが通常冷房は管理室だけ
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13:20 屋上の展望台 広島湾の前島と福島

周防大島の観光は翌日にするとして 下見を兼ねて「ざっと」ドライブ 本日の車中泊場所を探す
14:15 大島郡周防大島町久賀 八幡生涯学習のむら 久賀歴史民俗資料館

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涼みに入ったつもりがここも冷房無し そして見るべきものが少なく早々に退散
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15:45 周防大島町大字森 入江の船溜りに架かる石橋
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17:43 周防大島町森 中小島
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18:37 山口県大島郡周防大島町神浦 国道437号線パーキングから夕景

「道の駅・サザンセトとうわ」は大半のスペースが夜間使用禁止 その他の施設もキャンパーが多くて騒がしそう
竜崎温泉(入浴料:700円)で入浴後 夕闇迫る中 結局 本土側大畠観光センターのあるパーキングで車中泊
夜半を過ぎれば通行量も減り静かになる トイレも綺麗である

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