2013.08.13 山口県下関市から山口市仁保 帰郷庵とKDDIパラボラ館 / 岩国市錦町 寂地峡

8月13日-17日 山口県東部 車中泊旅 山口-岩国-周防大島-柳井-上関-光-防府
1日目 下関市菊川町 道の駅 きくがわ - 岩国市錦町 道の駅 ピュアラインにしき

前日の 16:30 に自宅を出発 下関市菊川町上岡枝のR491にある「道の駅 きくがわ」で一泊目の車中泊をする
翌日の早朝 北に約10km離れた「道の駅 蛍街道西ノ市」に移動 途中コンビニに寄り西ノ市で朝食にした
「きくがわ」と「西ノ市」を比較すると「西ノ市」の方が施設・環境ともに新しく優れていると感じる
「蛍街道 西ノ市」には日帰り温泉もあり 次回からはこの「蛍街道西ノ市」を利用することにする

このように 道の駅の状態も現地に行ってみないと解らないことも多い 道の駅に寄る度に 環境や騒音
トラックの台数と近接度合い またトイレの清潔さなどチェックするクセがついてしまった

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下関市豊田町大字城戸の木屋川べりにある 平安・鎌倉時代の関所跡
平安時代の中頃、豊田氏が定住すると、この要害の地に城戸(木戸)を設けて関所とし、
南からの侵入者を警戒した。今、この地を城戸(きど)といい、関所の地を節所(せっそ)という。
この城戸のうち山側に片山という関守が住んでいた。
平成14年3月 下関市教育委員会
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5:53 朝もや
6:10 道の駅 蛍街道西ノ市
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「道の駅 蛍街道西ノ市」周辺は田園地帯 下関市豊田町大字殿敷字高熊の集落

肥中(ひじゅう)街道
室町時代に大内氏本拠地の山口と 湊浦の肥中(豊北町神田 肥中漁港)とを結ぶ街道を整備したのが始まり
鎌倉時代末期に当主となった大内盛見が九州征覇をもくろみ 豊前国に対する潮の流れの速い赤間関を敬遠し
尚且つ季節風を避けるため 特牛(こっとい)北部にあり 響灘に対し南西に開いた深い入江の肥中を
豊前九州への足がかりにしたことから 肥中は中世期における日本海々運の要衝湊として繁栄した
また『防長風土注進案』に著された「大内家の船倉の在りし地」となって 中国・朝鮮との貿易においても
重要な機能を果たしたといわれ 大内氏直属の関奉行が管轄する関が設けられた
その後 安芸・長門国の覇者となった毛利氏に引き継がれ 同氏も海運によってその勢力を維持したとされている

街道は およそのルートとして(旧)国道435号線・県道240号線を辿る
山口市道場門-湯田温泉-山陰道-吉敷-寺領-吉敷畑-大峠・馬路峠-町絵-切畑-柿ノ木原-山田-御坊-
追拳(おこぼし)-山露-曽根-平原-桃ノ木-三ツ杉-麻生-楢原-浮石-久森-特牛-肥中のルートである

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7:03 下関市豊田町大字楢原 楢原橋西詰 肥中街道(国道435号)楢原入口
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山口県下関市豊田町大字楢原 浄土真宗本願寺派 諏訪山 正念寺

山口県美祢市大嶺町西分滝口 露出石炭層
北から麻生・桃木・平原・滝口に露出石炭層があり 古くから露天掘りされ 燃える石として認識されていた
明治になって 形成年代が古く炭化の進んだ良質の無煙炭であることが判明し
無煙炭の日本最大産地として大嶺炭鉱が開かれた  大嶺炭田の無煙炭は文字通り煙を出さないため
敵艦に発見される恐れが極めて少なく 明治から大正期の帝国海軍に重宝されていた

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7:20 滝口の大嶺炭田露出石炭層

山口県山口市鰐石町 鰐石橋の旧親柱と鰐石の重岩

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8:40 鰐石橋
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旧親柱 大正六年一月
旧親柱 鰐石橋
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鰐石の重岩と鰐石橋の旧親柱
山口の町の東南の入口はこの鰐石であった。山口に出入りする旅客の歓送迎がここで行われた。
河の中のこの重岩は古くから山口の名勝として有名で、大内時代山口に来た中国明の趙秩は、
山ロ十境の詩を作ったが、その一つにこの鰐石の景を詠じたものがある。次のような詩である。
「禹門に点額して竜とならず 玉立流渓激衝にまかす 自らこれ烟霧はぜを釣る処 幾重の苔蘇は白雲を封ず」
この重岩の御神体は恵比須様で注連縄の長さは13m50cmある。

9:13 山口県山口市仁保中郷 道の駅 仁保の郷 2階はギャラリーや教室・貸室となっている

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子供の頃「模型屋」で買った木製の鉄道模型を思い出す

10:18 山口県山口市仁保中郷 KDDI パラボラ館

KDDI 山口衛星通信センターは旧国際電信電話(KDD)時代の1969年5月に『KDD山口衛星通信所』として開設
KDDI 唯一の衛星通信施設であり なおかつ日本最大の衛星通信施設でもある
Link:KDDI パラボラ館公式サイト

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館内 太平洋とインド洋それぞれの静止衛星に向かってパラボラアンテナが並ぶ
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11:37 山口県山口市仁保上郷 嘉村礒多生家 帰郷庵

仁保のキャッチフレーズは「一歩 仁保 さんぽ」だが 道程が 8kmもあるので車で嘉村礒多生家に向かう
嘉村礒多(かむら いそた 明治30年-昭和8年)は 山口県吉敷郡仁保村出身の私小説家である
築120年の生家は見学ばかりではなく自炊1泊1人3000円で宿泊も可能で 旧家の保存方法としては画期的である
Link:仁保Web

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管理人さんと
天井裏の小屋組
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電気炊飯器も備えてあるが 昔ながらの竈(かまど)で飯を炊くことができる
別名に「へっつい」「くど」などとも呼ばれ 関西では「へっついさん」京言葉では「おくどさん」など
親しみを込めて呼ばれる大切なもの 茅葺屋根は竈の煙で燻されることで腐朽を防いでいる
煮炊きが出来ないほど困窮したり 廃屋になると茅葺屋根が湿って「ぺんぺん草(ナズナ)」が生え
屋根が腐り家が朽ち果てる 「屋根にぺんぺん草が生える」と言うのは経済的に貧しくなる意味を持つ
それほど室内で竈を使うことは 大切なことである
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トイレは最新のウォシュレット付き 風呂は懐かしい五右衛門風呂
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上ヶ山(あげやま)の村社(むらやしろ)

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平成8年に 人丸神社・客神社・河内神社・足王神社・霊神社・厳島神社・木崎神社・金比羅神社
観世音菩薩・地蔵菩薩・弘法大師の八神社三菩薩を合祀した神仏習合の御堂である

11:45 山口県山口市仁保上郷 仁保の銘水 平家の泉
800年の昔、下関の壇の浦で源氏に敗れた平家の落人は、各地に四散し、その中には平家一門の万寿姫もいた。
姫はわずかな郎党に守られながら仁保川を遡り、上げ山の里を過ぎて小径にさしかかると行く手に
巨大な岩が見えていた。 岩の傍には湧水が出ており、万寿姫や郎党達はこの湧水を飲むと
激しかった戦いの悪夢も徐々に醒めて穏やな気持ちを取り戻した。ほどなくして岩に坐した万寿姫は、
笛をとりだし静かに吹き始めると笛の音は静寂な谷間へ吸い込まれるように消えていった。
この湧水で喉を潤した一行は休息の後、徳地の白井の里へと旅立って行ったと言われている。

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山口県岩国市錦町宇佐 寂地峡(じゃくちきょう)

再び「道の駅・仁保の郷」に戻り昼食 午後12:30に出発 国道376号線で一路寂地峡を目指す
途中須々万本郷で国道434号線に入り 錦町・雙津峡を経て寂地峡へ 2.5時間・距離97.6km

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13:20 山口県周南市大字高瀬 島地川ダム 人工湖の高瀬湖
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島地川ダム 下流に名勝・高瀬峡がある
周南市須万 岩国市境近くの駐車場から
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14:08 駐車場から見る吊り橋の架かる宇佐川上流域 対岸は旧国道
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14:56 国道434号線 岩国市錦町宇佐 中国自動車道 宇佐川橋

山口県岩国市錦町宇佐 寂地峡の内 竜ヶ岳峡

寂地峡は 西部中国山地国定公園の三大渓谷(他に広島県:三段峡と島根県:奥匹見峡がある)の一つとされ
標高1337mの寂地山々頂近くから清冽な水が流れている 錦川の支流・宇佐川にある標高300mの渓谷は
犬戻峡(いぬもどしきょう)と竜ヶ岳峡に分かれ 犬戻峡は犬戻十八滝が名所で 幾つもの滝が連続する
ただし犬戻の滝まで2.5kmあり 名前の通り犬も戻そうとするくらい険しい道である
奇岩・岩屋が連続する竜ヶ岳峡は 七ヶ所の滝を中心とする渓谷で 特に五龍の滝は環境省の日本の滝百選に
選ばれている名瀑である 寂地川は湧水が豊富で水質が良いことから名水百選にも選ばれている

現地掲示板:寂地峡(竜ヶ岳峡)
この渓谷は、美しさの点では県下一の渓谷と言える。この渓谷は峡というより、沢と呼んだ方がピッタリで、
観光部分に限れば全体が一つの滝のような観がある。
谷水が一気に100mを滑り落ちる。 俗に七滝、目ぼしいもので五滝ある。 これが「五竜の滝」である。
このほか、途中に「大乗淵(だいじょうぶち)」。「ビョーブ岩」が見所であり、
沢筋の道は寂地山の南頂上に至る。この沢筋の良さは自然林である。

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竜尾の滝
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<右> 登龍の滝 落差8m
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登龍(とりゅう)の滝々壺  大乗淵

白龍の滝 落差10m

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龍門の滝 落差18m

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奥に見えるのが龍門の滝
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浸食岩が美しい
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龍門岩

五竜の滝 最上部「竜頭の滝」落差14m 最下流・龍尾の滝(2段滝) 上段落差15m 下段落差5m

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今日の車中泊は「道の駅 ピュアラインにしき」とする 往路を錦町まで戻り途中にある雙津峡温泉の
「錦グリーンパレス」で入浴 日帰り入浴料金は500円 他に「元湯 憩いの家」が同料金で入浴可能

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