2016.05.31 大分県玖珠郡玖珠町大字山田 万年山(はねやま) 標高 1140.2m

万年山は前バネの上に上バネ(山頂部)があり  上下二段の卓上台地をもつ日本で第一級のメサ地形である
近くには同様のメサ地形による国指定天然記念物の大岩扇山があるが これに勝るとも劣らない山である
下部メサの卓上台地面は 約200万年前の下万年山溶岩から形成されその大きさは西北西から東南東に
長さ約9km・北北東から南南西にかけて幅約4kmある 標高は東南東端の最高点が940mあり西北西側へ
次第に高度を下げ西北西端で約580mとなっている 台地面はゆるやかな起伏をもった平坦面であり
高原となっていて 万年山牧場・吉武台牧場・万年山模範牧場などがある

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上部メサは約80万年~12万年前の万年山溶岩からなり下部メサ台地の上に発達した 本峰を含めた上部台地は
西北西から東南東に長さ約5km・北北東から南南西に幅約1.5kmあり 高度は1140.2mからやはり西北西側に
高度を下げて西北西端で1034メートルとなる 上バネ山頂部は広くゆるやかな起伏をもつ草原となっている
上バネの南側は急峻な崖を形成するものの 麓には下バネから続く万年山溶岩からなる広い高原が展開している
この高原は 上バネと同時期に形成された亀石山・吉武山溶岩からなるゆるやかな台地へと続いている
この台地は 西北西から東南東へ長さ11km・北北東から南南西に幅7kmあり 下バネ台地を含めると
広大な台地となる 近辺には東西性の断層が多く存在し 別府万年山断層帯を形成し
東西方向の尾根や谷の発達が著しい 同断層帯の2016年4月からの活発な地震活動は記憶に新しい
5月~6月には群生するミヤマキリシマ・ドウダンツツジが開花し 絶好のハイキングコースとなる
毎年5月の最終日曜日には 盛大な「山開き」が催される
山名の元となった「ハネ」は 全国に同じ地名が多く存在し 粘土地を表す「埴=はに」が源と言われる
この万年山周辺でも赤土の粘土層が多く見られることから この仮説は一考の価値があると考える
登山開始 09:00 山頂 09:56 お花畑(ミヤマキリシマ群生地)11:45 下山 13:30

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1.まんじゅう岩 2.ミヤマキリシマ群生地 3.お花畑分岐 4.万年山々頂 5.レリーフのある広場
6.西の鼻展望所 7.山浦分岐 8.お花畑鍵曲がり 9.お花畑(ミヤマキリシマ群生地)
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標高グラフ
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09:00 吉武牧場登山口駐車場
牧野作業道に入る
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熊本地震の余震について注意書き
山の神
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まんじゅう石
下バネ卓上台地
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9:45 上バネ台地に続く階段
万年山の由来記 かなり眉唾もの
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山頂から 英彦山・犬ヶ岳・読経山・雁股山・木ノ子岳・八面山・鹿嵐山・由布岳・鶴見岳の大パノラマ
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一等三角点 標高 1140.25m 点名:羽根山
9:55 山頂の標識は少し整理した方が良い
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阿蘇五岳涅槃像 地震で鼻が欠けたらしい
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10:13 山浦下園方面へ縦走
以前は藪漕ぎで大変だったが
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ドウダンツツジ <学名:Enkianthus perulatus
漢字表記では満天星躑躅・灯台躑躅・日本吊鐘とも書く
「満天星」の名は中国の故事によるもので 昔 仙人が霊薬を練るとき誤ってこぼした霊水がこの木に散って
壷状の玉(ギョク)になって 満天の星のように輝いたという伝説に因むものである
 また「灯台」の名は 枝分かれの形が三本脚の結び灯台に似るのに由来する 昔の灯明台は三本の木を中央で結び
それを開いて置き 上部に灯明皿を載せて使用した 発音の灯台が転じて「ドウダン」になったと云われている
「日本吊鐘」はドウダンツツジの中国名である 万年山で見るドウダンツツジは「ヒロハドウダンツツジ」である
また花は「ドウダン」の白色ではなく赤く また その形も違っている 亜種と思われるが正確には判明しない
自生地ではむしろヒロハドウダンツツジのタイプが多いと言われ 自生地では交配種や変種も多い
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断崖状の南壁
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ミヤマキリシマ
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ミヤマキリシマ <学名:Rhododendron kiusianum
漢字表記は深山霧島と書く 明治42年(1909)に霧島へ新婚旅行に訪れた植物学者・牧野富太郎氏が発見し
「深い山に咲くツツジ」という意味で「ミヤマキリシマ」と命名した
それ以前には 慶応2年(1866)に同じく新婚旅行で霧島を訪れていた坂本龍馬が 姉に宛てた手紙の中で
「きり島つゝじが一面にはへて実つくり立し如くきれいなり」と書いている
ミヤマキリシマは ツツジの一種で九州各地の高山に自生する固有種である
高さが1m程度の低木で 花期は概ね5月下旬から6月中旬頃となる 多くは赤紫色の花をつけるが
ピンクや薄紅色の花も見られる 霧島連山やえびの高原のほか 阿蘇・九重・雲仙・鶴見など
九州各地の高山に分布し 火山活動により植生が破壊された山肌で 比較的早く再生される陽樹であり
優占種として生存できるが 火山活動が終息して照葉樹林による森が発達すると生存できなくなる
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ミヤマキリシマと縦走路
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サワフタギ(沢蓋木)または カマツカ(鎌柄) 今は判然としないが 秋につける実の色が違う
サワフタギは瑠璃色の実 カマツカは赤い実
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薄紅色のミヤマキリシマ
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 九重連山と湧蓋山
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万年山西 三角点のあるピーク 1095.2m
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「光明磊落」のレリーフのある広場
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「こうみょうらいらく」公明正大でおおらかなこと
11:20 縦走路からの下り道
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鼻ぐり岩上部の展望所 上バネ台地・西の鼻
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11:25 山浦分岐
森林組合作業道ゲート通過
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植林地の作業道
お花畑 ミヤマキリシマ群生地
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残念ながら 今年は開花が例年より早く 山開き時には既にピークは過ぎていたようだ
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コースの鍵曲がり標識
所々残る花
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伐株山の裏 鹿嵐山遠望
吉武台登山道・お花畑分岐
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下バネ台地のミヤマキリシマ群生地
下バネ台地から耶馬渓から九重・湧蓋山までのパノラマ
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