2010.07.09 佐賀県白石町湯崎川津 厳島神社参道橋

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縫殿池(ぬいのいけ)弁財天と金妙水(きんみょうすい)
この縫殿池にこんこんと湧き出る清らかな水は 「金妙水」と呼ぼれて 古来 住民の飲料水としても
数十町歩もの広い稲田や藺草(いぐさ)田の用水としても 自然の恵みとして大切にされてきました
この神社の正式名称は「厳島神社」ですが 江戸時代は 陽興寺に所属し弁財天を祭る社とされ
普通「べんじゃーさん」と呼ぼれて来ました 明治の初めの神仏分離令により 日本古来の神道の制度に従つて
祭神は市杵島姫命とされています どちらも水の神ですが 市杵島姫命は宗像神ともいわれ 海上安全
水難防止の神です 一方 弁財天はもともとインドの河川の神で学問・知恵・音楽・弁舌などを司る神です
財福の神として七福神のひとりとされています 厳島神社は平清盛が信仰した神社として有名ですが
この地方には平家が支配していた荘園(領地)や平清盛の大功田があり 水堂安福寺にはその子重盛の供養塔も
ありますので この神社も平清盛と関係があると考えられます 池の中の放生池の石碑は 文化10年(1813)に
建てられています 放生というものは 「生き物を放ち逃がす」ことですが 捕らえた生き物を放してやる儀式を
放生会といい 岩清水八幡宮で行われていた天皇主催の放生会は有名です ここでも無病長寿や疫病退治などを
願つて放生会が行われたのでしよう 放生会は「命を大切に」し 生命の尊さを考える所です
美しい景観を見せていた縫殿池も 昭和30年の初めに飲料水や農業用水を確保するために地下水を 過剰に
汲み上げたため それまで出ていた湧き水が止まり 40年間の長い間 水の溜まらぬ池となつてしまいました
地下水汲み上げが無くなった平成13年の4月頃から 厳島神社の周囲から以前のような清らかな水が湧き出て
縫殿池には木々が映える美しい姿が戻ってきました
古来から「金妙水」は 遠く嬉野町の轟の滝より 山野の地下を通り流れて来ると言われ
それに乗って轟の滝の龍神さんが 厳島神社のお姫様に違いに来られたという恋物語があります
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コンクリートで固められた橋の上に 石が露出し
かつては自然石の石橋であったことが判る
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