2011.10.09  肥薩線 大畑(おこば)

明治42年(1909)12月26日開業 日本で唯一ループ線の中にスイッチバックを併せ持つ駅である
真幸駅同様 通過不可能なスイッチ・バック構造で かつての特急や急行列車も必ず停車する駅であった
木造駅舎は開業当時のもので 当駅のみ観光列車「いさぶろう・しんぺい号」の運行にあわせ
窓枠を木造に戻すなど 開業当初の雰囲気を再現する改装が行われた
人吉駅から10.4km 21‰の連続した勾配を 蒸気機関車は区間平均時速20kmで30分かけて登ってくる
最大出力時には毎分250リットルの水をボイラーに送り続け 人吉−大畑間で約1トンの石炭を消費した
そのため大畑駅は待避線・信号所・給水所としての役割を重視して建設された
現在も駅の周りには人家がなく 大畑郵便局のある集落中心部へは距離で3.5kmあり徒歩で1時間かかる
この駅で給水をする間に 乗客や機関士が トンネル内で汚れた顔や手を洗うため
駅ホームに朝顔型の洗面湧水場が設けられ 当駅で機関士共々休息した
束の間の休息後には 眼前に迫るさらに険しい矢岳駅へ至る30.3‰もの急勾配に挑まなくてはならない
このようにスイッチ・バックを併せ持つのは 勾配途中においての補給基地的要素が強く
あえてループ線途中に平坦な場所を設け そこに停車場を建設するためであった
石造りの給水塔・朝顔型噴水は 南九州近代化産業遺産群の物資輸送関連遺産の1つとして選ばれている
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国土地理院 昭和51年(1976)9月29日撮影 航空写真
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給水塔と駅員宿舎・詰所 昭和30年代まで駅員の宿直は当たり前であった
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朝顔型の湧水手水鉢 8ヶ所から水が滴る
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給水塔の基礎部分 石造で堅固に造築されている この上に給水タンクが据えられ
この中がバルブなどの操作室となっていた 傍の建物に操作する駅員が常駐していた
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給水塔内部
2018.03.28 桜が咲く大畑駅
早朝に肥薩線大畑駅南東にある市営人吉梅園(大畑梅園)を訪ねる 名のごとく梅の花見で有名だが
桜も負けずに美しい梅園であった 後大畑駅まで足を伸ばす 大畑駅の桜も見事であった
駅に着いたのは 午前7時50分 始発列車は人吉行午前9時32分 誰もいない駅 何も通らない駅
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駅舎内に所狭しと貼り付けられた名刺類 以前これほどでは・・・ 誰かが貼り付けみんなが真似して
しかし 登録有形文化財の建築物なのだ 文化財に落書きするのと同じこと?
「恥ずかしく・とても見苦しい」と感じる私がおかしいのか?
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