2015.11.05 山陰石見の旅 島根県浜田市国分町 石見畳ヶ浦

国の天然記念物 昭和7年3月25日指定
畳ヶ浦は別名を床の浦とも呼ばれ、およそ4万9千平方メートルの波食棚が広がり、
高さ約25メートルの見事な礫岩、砂岩の海食崖や、いくつもの断層が見られます。
波食棚は千畳敷と呼ばれ、江戸時代(1817年)の文献にも景勝地として紹介されています。
千畳敷は約1600万年前に堆積した砂岩層で、多種類の貝や流木、鯨骨などの化石が含まれています。
また、床面には多数の腰かけ状の丸い石(ノジュール)が並んでいますが、これは貝や植物が溜り、
貝の炭酸カルシウムなどによって砂粒が固められ、その後、周辺が浸食を受けて残ったものです。
畳ヶ浦は景観の素晴らしさとともに、地学など学術資料としても大変貴重なものです。
浜田市教育委員会

明治5年(1872)の浜田地震によって 海底が約30cm隆起して現在の景観ができた
面積が約4.9haある波食棚では縦横に走る小さな亀裂がみられ これが畳を敷きつめたように見えることから
「千畳敷」と呼ばれるようになった 背後には高さ20mクラスの断崖が発達しており地層の交差が顕著である
また海蝕洞の内部には地蔵菩薩が祀られ 賽の河原と呼ばれる場所もある
海上には犬島・猫島という奇岩が浮かぶ
畳ヶ浦を含め一帯は唐鐘(とうがね)海岸と呼ばれ 浜田海岸県立自然公園に指定されている

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国土地理院空撮写真
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唐鐘漁港の露頭
この露頭で見られる地層は、1600万年前に堆積したもので、畳ヶ浦をつくっている礫岩層とその下部にある
砂岩層を観察できます。砂岩層からは、海水と淡水が混じった沼地に生息する貝や植物の化石が見られます。
礫岩層は、河川が氾濫し、土石流となって河口に堆積したものです。左手の畳ヶ浦の崖を見ると、
この露頭にある砂岩層は見られません。これは左側の駐車場に断層があり、露頭側が上がり、
畳ヶ浦側が下がったことを示しています。また、畳ヶ浦の崖の礫岩層上部にある砂岩層からは、
海に生息する貝やサメ、クジラの化石が見られます。この砂岩層と露頭の地層とを合わせて考えると、
環境の変化をより理解することができます。この露頭は畳ヶ浦の成り立ちを知る上で貴重です。
平成15年9月30日 浜田市教育委員会
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海蝕洞 賽の河原
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千畳敷のノジュール
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馬の背 隆起した岩礁
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化石群
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金周布漁港と遊歩道の「めがね橋」 遊歩道は石見海浜公園に通じる
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ノジュール
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砂岩層と礫岩層
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断層と千畳敷の案内説明掲示板
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犬島と猫島
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