2015.07.25-27 大阪から岡山・奥出雲・三瓶を通り山陰路で九州に帰る

7/27 島根県大田市三瓶町多根 三瓶 小豆原埋没林公園 - 自宅

前日からの宿は「国民宿舎 さんべ荘」中高年向きの食事プランと温泉にひかれて 洋室ツインに投宿するが
ベッドのスプリングが背中に当たり痛い思いをする 宿は近くの「さひめ野」の方が良いかも知れない
三瓶は朝からあいにくの雨 宿を出て行くところも無し こういうところが予約宿泊の悲しいところ
やはり天気はままならない なので好天を見計らって動ける車中泊が止められない 少しドライブを楽しむ

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「定めの松」と雨で霞む「三瓶山」
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浮布池にも寄るが雨 花は北の原駐車場にて

島根県大田市三瓶町多根 三瓶 小豆原埋没林公園

雨が降る中 開館と同時に早々に入館する

森はかつて、夢を見た。
SANBE AZUKIHARA BURIED FOREST

一枚の写真から
昭和58年(1983)水田の圃場整備工事の際 地中に直立する巨木が出現した 掘っても掘っても地中深く続く幹
現場では「不思議なこともある物だ」と話には上るが 巨木が地中に立つ理由を知る由も無く
工事の完了とともに何時しか忘れ去られていた

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巨木を探す(一部編集)
平成2年(1990)偶然に 地元で火山研究をすすめる松井整司氏が 工事中に撮影された地中から立ち上がる
巨木の写真を目にしたことから 物語は動き始める
「これは三瓶火山の歴史を語る貴重な存在に違いない」と 土砂から突き出た巨木の価値を直感し
独自に調査を開始 巨木はなかなか全形を現さなかったが 火山灰に埋没していることが解明されていった

太古の森が目覚めた
「巨木を掘り出して三瓶自然館で展示しよう。」 松井氏の調査により 三瓶火山と巨木の関わりが
解明されたことで 本格的な発掘調査が行われることになり 平成10年(1998)の秋 ついに水田の下から
1本の巨木が現れた 周囲を掘り広げると次々に巨木が現れ 地下に森が存在することが判明したのである
世界でも例を見ない巨大な地底の森は「三瓶小豆原埋没林」と命名された

森の記憶を呼び覚ます
巨木の掘り出しと同時に詳しい調査が行われた 放射性炭素を使った年代測定では 森が4000年前に
埋もれたことを示し これは三瓶火山の最後の噴火と一致し 地層からは様々な情報を読みとることができた
小豆原の谷に土石流が流れ込み 木々は倒されず耐えたこと
その後に火砕流の直撃を受けたことなどが明らかになった 木々の根元には落ち葉の層が残り
そこからは森にすんでいた昆虫の羽などがたくさん見つかった
樹種は大半がスギで トチノキ・ケヤキ・カシの仲間などが混じる森であったことが判明した

鬱蒼たる原始の森
根元まであらわになった巨木の迫力は予想を超えるものであった 大きなものは根回り約10mに達し
生きていた時の推定樹高は約50m 何百年もの時をかけて木々はゆっくりと成長し
深く鬱蒼とした森を作ったのである
三瓶小豆原埋没林公園では 地底の森を発掘したままの状態で展示している
それは縄文の夕イムカプセル 地下への階段を下りると太古の巨大地底林が眼前に迫る
4000年前の自然が育み 火山が閉じこめた奇跡の森 耳を澄ますと 太古の自然の鼓動が聞こえてきませんか?


縄文の森発掘保存展示場

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ケヤキ
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スギ
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ムクロジ
スギ
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根株展示棟

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鮮やかに残る年輪
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屋外の根株展示

古代ハス

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時間は午前10時を過ぎた これから九州まで国道9号線で帰る 道の駅 夕日パーク浜田で昼食
門司から中津経由で 自宅到着が午後7時となった

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