2013.05.11  山口県萩市椿字鹿背ヶ坂(かせがざか)1258  萩往還公園の石橋

<地図>
道の駅「萩往還公園」は県道32号萩秋芳線 鹿背ヶ坂峠を貫く「萩往還隧道」の北にある
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石橋は 駐車場の南側 萩往還古道の「鹿背ヶ坂峠遊歩道」入り口にある
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峠への遊歩道
石造の反り橋

萩往還

江戸時代に整備された長州藩内の城下町長門萩と周防三田尻(現在の防府市)とを結ぶ 全長52.7kmの街道である
江戸期以前から部分的に存在していた道を 徳川幕府により減封改易となった毛利氏が 広島城から萩城に
居を移した後の 慶長9年(1604)に 幅員:二間(4m)の重要道路として整備したものである
萩城下の唐樋(からひ)にある高札場を起点として 山口(山口市)を経由する ほぼ直線的な街道である
西国街道(山陽道)と結ぶ参勤交代道であると同時に 日本海側の萩と瀬戸内を結ぶ重要な流通ルートでもあった
明治以降交通体系の変化とともに利用者が減少し 道も荒れ険しい山道など一部は廃道となった
昭和52年より復元・整備が始められ 萩市から防府市に至る古道と関連遺跡が 平成元年(1989)に「萩往還」の
名称で国の史跡に指定された 平成8年(1996)には文化庁選定「歴史の道百選」に 平成16年(2004)には
萩-山口間が「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれ 平成19年(2007)に「日本風景街道」に登録された

文化庁国登録有形文化財 第35-0023号 鹿背隧道

基構造:石造 延長:182m 幅員:4.2m 着工:明治16年(1883) 竣工:明治19年(1886)
所在地:山口県萩市大字椿字悴ヶ坂〜大字明木字悴ヶ坂
山口県近代化遺産・(社)土木学会 日本の近代土木遺産
萩と小郡を結ぶ陰陽連絡道の改修工事に伴い 悴ヶ坂(かせがさか)峠を貫通開削された県施工の石造トンネルである
県内唯一の石造トンネルは 地元の萩・阿武をはじめ周防大島久賀や遠くは大分県安心院の石工によって完成された
藩庁移転後の萩回生への期待がこめられた 当時としては我ヶ国最長の隧道で 山口県下最初の石造洋風隧道として
記録され 現在も見られる総石張りの内部は 壮観重厚にして貴重な希少的建造物である
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萩側抗口
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山口側出口
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山口側抗口
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隧道銘板
萩往還隧道 1991年開通 延長:570m
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