大分県竹田市大字植木  明治岡本井路・石垣井路

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国の登録有形文化財  登録 平成8年12月20日
明治岡本井路は 竹田市下坂田の稲葉川に架かる松尾橋上手に取水口を設け 本渠(線)6.442km・明治支渠6.85km
岡本支渠8.344kmおよびその他の支渠からなり 約693haの耕地に水を供給している
石垣井路のある明治支渠は 明治45年(1912)3月に水路が完成された
当初 石垣井路のあるこの11号開渠部分は 箱樋であったが 大正10年代に台地の尾根上に
延長約240m 高さ3.5mから5.5mの石垣づくりにかえて通水したものである
起伏の激しい大分県山間部につくられた長い石垣井路としては極めてめずらしいものである

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義盛神社と石垣井路

古来より 明治岡本井路受益地の三宅郷は豊饒の土地として有名であった しかし いたる所に丘陵があり
渓流があっても水田は少なく耕地の7割は段々畑であった 明治40年(1907)に水路築造と水路開削の気運が高まり
同43年(1910)に明治岡本耕地整理組合が設立され 水路開削工事に着手 大正2年(1913)通水に成功した
今日においても農業用水路として重要な役割を担っている現役の農業水利施設である
地元の竹田市土地改良区により 地域の重要な水路として大切に維持管理されており
平成17年(2005)度には 石垣の漏水改修を同土地改良区で行っている