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2018.04.27/11.04 広島県府中町 上下町の散歩
江戸時代 石見銀山から瀬戸内へ抜ける銀山街道の宿場町・備後国甲奴郡(こうぬぐん)上下村が前身
幕府が管轄する天領・甲奴郡12ヶ村のひとつで 主に両替商などの金融業で栄えた
漢字の上と下の縦線を省いて合体させた上下を表す一文字
「上下」の由来には 「村の中心が分水嶺になっているから」「峠の字から山を除いて上下となった」
「上野村と下野村に挟まれていたから」の三説がある 明治30年(1897)町制施行して上下町となった
昭和29年(1954)近隣の村々と対等合併し 新たな上下町が成立 平成16年(2004)府中市に編入
観光駐車場と標高535.5mの翁山
旧田辺邸
江戸時代は 幕府の公金を扱う掛屋を営んでいた 明治以降は造り酒屋になり 後に増改築も続けられたため
各時代の様式が随所に見られる 残念ながら非公開
旧田辺邸 トロッコレールのある橋
翁橋(おきなはし)
上下町マップ
1.旧田辺邸 2.翁座 3.旧片野製パン 4.分水嶺 5.代官所跡 6.郷宿 7.旧警察署 8.上下協会 9.商工会館
銀山街道から翁座への道
じょうげ端午の節句まつり
翁座
大正時代の建築 かつて芝居や映画の上演等が行われる劇場として賑わっていた
現存する木造建築の劇場としては広島県内最古で 大正から昭和初期の地方演芸場として
全国的にも希少な存在となる 通常非公開 現在 所有者によって自費管理されている
翁座内部 写真提供:広島県
備後地方でよく見る形の格子ガラス窓
亀山八幡神社
間口が狭く奥行きのある敷地と奥にある蔵 典型的町家の姿
家紋入り帆掛け船の鬼瓦
翁橋方向
旧片野製パン所
昭和9年(1934)建築 モルタルの壁に設けたアーチ形と縦長の窓をはじめ 軒に施した装飾などのモダンな外観が
特徴となっている 白壁やなまこ壁の風情ある商店街の町並みと異なる趣があり 2018年7月 文部科学相に
有形文化財登録を答申した国の文化審議会では「街道景観のアイストップとなっている」と評価され
年内に国の登録有形文化財となる見通しとなっている(山陽新聞記事より)
荷造り紐でぶら下げられた 「干物のメザシ」のような鯉のぼりや 超出来の悪い「案山子」は目障り
観光客の目的は町並みや建物で 鯉のぼりや案山子を見に来るわけではない・・・と思うが
銀山街道 吉井寺下
国道432号線と旧街道分岐
全国唯一町中の分水嶺
史跡 天領上下代官所跡
元禄11年(1698)福山藩水野家が無嗣断絶となり 翌年 幕府は備前岡山藩・池田綱政に福山藩の
検地を行わせ15万石を打ち出させた 幕府はこの内5万石を直轄とするため 甲奴・神石・安那郡の71ヶ村を
天領とし 元禄13年(1670)上下村に代官所を設けた 享保2年(1717)に2万石が豊前中津藩領へ分割され
上下代官所を廃止 石見大森代官所の出張陣屋となり 神石郡10ヶ村と甲奴郡12ヶ村を幕末まで直轄統治した
平成20年(2008)の発掘調査によれば 代官所の石垣や石段の一部が確認された
しかし 現存する石垣が 今まで一般に代官所時代のものと思われてきたが 石積みの方法や状況から
その殆どが後世に積み直された石垣と考えられるとされた 代官所陣屋の建物跡も 明治以降の尋常小学校
その後の役場建設に伴い破壊され 痕跡が失われた可能性が高いと判断された 県の史跡に指定されているが
この高台に代官所が存在したという事実だけが 記憶及び記録として残されているのみといえる
天領陣屋跡の碑 背後は上下のシンボル「翁山」
石垣も明治以降に積み直されている
旧警察署(現岡田屋)
明治時代の建築物 火の見櫓は当時のまま残されている 明治39年(1906)10月 小説家・田山花袋が
山陰旅行の際 岡田家に滞在した その紀行文『備後の山中』のなかで
(上下は)「いかにも海岸からはるばる山の中に入って来たという感じのする町であった。
(中略)女が幼い時を過ごしたといふ小学校があったりした。警察署が町の曲り角のやうなところにあって、
そこから商家の軒が両側に續いた。・・・」と記している
旧瀬川百貨店
江戸末期から明治初期の建築物と推定 明治15年に備後で二番目の金融機関として「共同成章社」を設立
上下画廊
三玉医院 三玉家住宅
重森本店
上下キリスト教会礼拝堂
明治時代に上下の富豪・角倉家の金蔵として建築された 昭和26年(1951)角倉志朗が自邸を日本基督教団に
譲渡し上下教会となった 切石布積の基礎 入り口には鉄扉が付いていたといわれる
尖塔は 元は火の見櫓として造られたもので 協会らしく改装され十字架を取り付けた
現在も礼拝堂として利用され 広島県文化百選建築物に指定 上下町のシンボルとなっている
国登録有形文化財 上下町商工会館(旧上下警察署庁舎)
桁行13m 梁間7.4m 2階建 屋根は寄棟造鉄板葺 鉄筋コンクリート造の擬装を持つ特徴のある木造建築物
広島銀行上下支店の「なまこ壁」
浄土真宗本願寺派 是佛山 専教寺
2018.04.27 翁山城跡公園
南北朝時代の暦応3年(1340)上下村の地頭職に補任された長谷部信吉が 翁山々頂に築城した山城の跡地
上下の町を一望できる公園として整備されたが 現在は樹木と草が生い茂り展望は無い
翁山山頂
平成3年(1991)上下ライオンズクラブ創設25周年記念に建てた「もみの木ハウス」が痛々しい
「イラストふかんマップ」があるが
この通り何も見えない
かつての「翁山からの展望」 写真提供:広島県
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