2018.11.28 鳥取県岩美郡岩美町大字岩井 旧岩井小学校校舎
明治5年(1872)新政府が学制頒布 翌6年9月に湯村宿岩井に村立岩井小学校が創立された 明治7年に湯村宿改称し岩井宿となった
明治9年(1876)鳥取県から島根県の管轄となる 明治12年(1879)岩井郡が発足 明治14年(1881)再び鳥取県の管轄となる
明治22年(1889)の町村制の施行により岩井宿と宇治・長谷・真名・白地の4村が合併して岩井村が発足
明治25年(1892)8月 現在の旧校舎が竣工し岩井尋常小学校に改称された
明治29年(1896)郡制施行により 邑美・法美・岩井の3郡の町村管轄地域をもって岩美郡が発足し岩井郡が廃止となった
大正6年(1917)新校舎竣工に伴い閉鎖 平成13年(2001)岩美町立岩美南小学校に併合され 129年の歴史に幕を閉じた
校舎は 中央部に玄関ポーチを附し 左右対称の均斉のとれた正面外観を持つ 外壁の下見板・上げ下げ窓・胴蛇腹持送り
軒ようらく飾り・玄関ポーチのオーダー柱・2階ベランダ・ラウンジの手料・軒蛇腹などに洋風が導入される一方で
正面入母屋破風や背面外観・内部間仕切・小屋組などには和風構造技術が踏襲された擬洋風建築である
特に正面外観意匠には 進取的に洋風技術の導入を図った大エと棟梁の豊かな創造性と腐心の跡がうかがわれる
現在 内部は改造され廊下仕切りは撤去されているが 元は1・2階とも片廊下式で 1階には2教室と校長室・職員室を配していた
建物は小規模校舎ではあるが 明治時代の洋風学校建築としては県下唯一の遺構であり 明治初期の擬洋風建築の系統を引く
数少ない建物として極めて貴重である しかし 保存母体である岩美町の予算が乏しく建築物の損傷が激しい
昭和50年(1975)8月11日 岩美町保護文化財に指定された
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