2013.10.14 山口県下関市豊北町大字角島2343-2 角島灯台(つのしまとうだい)

灯台のある角島は 山口県西北に位置し響灘に浮かぶ沖合の島である かつて離島であったが 平成12年(2000)11月
本州との間にある海士ヶ瀬戸に角島大橋が竣工し車での往来が可能になった 角島の名は 東の牧崎と西の夢ヶ崎のが牛の角のように
突き出していることから名付けられた 灯台は島の西北端 響灘に面する夢ケ崎に築造され 初点灯は明治9年(1876)3月1日である
灯塔は 瀬戸内海の男木島灯台とともに 日本に2基しかない総御影石造・無塗装の灯台である

日本海側では初めての洋式灯台で レンズはイギリス製の一等フレネルレンズで 日本でも5ヶ所しかなく現役最古のものである
第1等灯台に指定されているが 歴史的文化財的価値が高いAランクの保存灯台で 日本の灯台50選の他 近代化遺産
土木学会選奨土木遺産にも選定され 2020年には国の重要文化財に指定された 北長門海岸国定公園内に含まれ
周辺は下関市立角島灯台公園となり職員宿舎には灯台退息所が復元され資料館となった 参観灯台として常時内部が一般公開されている
地上高:29.62m 灯火標高:44.66m 光達距離:18.5海里(約34km) 北北西の国石岩礁を照らすクヅ瀬照射灯を併設

設計は 明治新政府に雇用されたイギリス人土木技術者であるリチャード・ヘンリー・ブラントン<Richard Henry Brunton>で
ブラントン最後の設計灯台である 彼は7年6ヶ月の滞在中に灯台26ヶ所 灯竿(防波堤灯)5ヶ所 灯台船(ブイ)2隻などを設計し
明治初頭の港湾・航行・港運の安全に寄与し灯台体系の基礎を築きあげた また灯台技術者を育成するため「修技校」を設け
技術者養成の教育にも心血を注いだ このため彼は「日本の灯台の父」と讃えられている

ブラントンの功績は灯台にとどまらず 来日早々の明治2年(1869)に築地-横浜間に日本初の電信線を架設 横浜居留地の道路舗装や
横浜公園の設計・鉄道敷設事業・築港事業などに意見書を出すなど土木建築などに多才であった

Prev> 近代土木建築産業遺産 INDEX

img
○印.角島灯台 1.夢崎波の公園 2.牧崎風の公園 3.角島砲台跡 4.鬼の岩 5.角島大橋
img
img
右側の建物はクヅ瀬照射灯
img
img
img
 TOP