大分県竹田市大字門田  明正井路第一拱石橋

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竹田市の中心部から高千穂に通じる県道8号竹田五ヶ瀬線を南下すると
頭上を跨いだ大きな石橋がある 大正8年(1919)に竣工した明正井路の一号幹線の水路橋で
日本国内で最大規模(水路橋としては大分県内で最長)の水路用石造アーチ橋である
設計は明治17年生まれの矢嶋義一技師で この後水路下流の一号幹線二号橋も設計しているが
心労のあまり自ら命を絶ったという 石工は熊本出身の平林松造ら9名である

明正井路は 門田川から取水され 緒方町と清川村地域の水田498haを灌漑する水路で
その総延長は175km(幹線48km・用水路127km)に及ぶ 17基の水路橋を有する
大規模な灌漑施設である 江戸末期にすでに構想があったが
実際に着工されたのは大正時代に入ってからで 1号 2号幹線は大正8年(1919)に竣工した
「明正」の名は 計画及び工事が明治時代から大正時代にわたって行われたことに由来する

河川:大野川水系緒方川
形式:6連石造アーチ橋   橋長:78.0m   橋高:13.0m   幅員:2.8m
径間:10.7m   拱矢:3.3m    環厚:60cm
竣工:大正8年(1919)
設計者:矢嶋義一(大分県農業技手)
管理者:明正井路土地改良区
文化財等:土木学会選奨土木遺産