大分県竹田市大字次倉(右岸)  白水溜池堰堤

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左岸は大分県竹田市荻町大字鴫田 大野川水系大野川ダム湖白水溜池
ダム型式:重力式コンクリートダム  堤高:13.9m  堤頂長:87.26m  流域面積:96.4ku
湛水面積:10ha  総貯水容量:60万トン  利用目的灌漑事業主体:富士緒井路土地改良区
施工業者:溝口組  着工年:1934年  竣工年:1938年   国の重要文化財に指定
竹田市と緒方町を流れる富士緒井路(ふじおいろ)の水量不足を解消するために設けられた堰堤
大分県庁の農業土木技師であった小野安夫の設計・監督により 昭和9年(1934)4月に着工し
昭和13年(1938)3月に竣工した 越流型の重力式コンクリートダムで 表層は石造と言われる
堰堤の両端部はそれぞれの地形に応じ 右岸端部には武者返しの曲面流路を
左岸端部には階段状の流路が設けられており 水流が強まると左右の流路からの水流が
合流して中央部の水流を弱めるように考えられている 周辺地層は広く阿蘇火山性地質であり
地盤が脆弱であることから 落水時の衝撃による基部の崩壊を回避するために
曲面水路や両端の流路などが工夫された 堰堤を越えて流れる水流紋や
左右両端の流路が作り出す水流の美しさは高く評価されており
日本一美しいダムと評される なお通称は白水ダムと言われるが 日本の河川法によれば
堤高15m以上のものをダムとしているため 堤高13.9mの白水溜池堰堤は正式にはダムとは言えない