2024.02.13 大分県宇佐市大字日足 御許山(おもとさん) 標高 647m
宇佐神宮から南南東約4.6kmにある御許山の九合目には 宇佐神宮の元宮とされる大元(おおもと)神社が鎮座する
神代に比売大神が降臨した神域と伝わり 古より伐採が禁止されていたため 自然林や大樹が良く保存されている
大元神社には 宇佐神宮の第二神殿に祀られる三柱の女神を統べた比売大神を祀る
頂部の山体が本殿を表し 山内にある三体の巨石を御神体とし その前に拝殿を設え拝殿奥に本殿鳥居が立っている
拝殿から先は禁足地となり 神霊が宿る山として宇佐神宮の霊地・奥宮として今も崇められている
宇佐神宮のおこりはこの比売大神であり 現在も中央の第二神殿に祀られ 後に八幡神・神功皇后の順に合祀された
江戸時代に 比売大神三女神が宗像三女神に例えられ今日に至るが
比売大神が邪馬台国の卑弥呼(伝:170−248)を指すとの説もあり かなり古い社であることは相違ない
また 別名に大元山または馬城峰とも称され『宇佐八幡弥勒寺建立縁起』によれば
欽明天皇(539−571)の代に 八幡大神が宇佐の馬城峰に降り立つと記され 八幡大神がはじめて姿を現した
場所ともされている かつては近世まで 霊山寺をはじめとする御許六坊と呼ばれる密教寺院が置かれ
六郷満山の元山として隆盛を極めたが 慶応4年(1868)の戦禍によって焼失し
同年に発布された神仏分離令で再建の道も閉ざされた
P.林道の駐車スペース 1.雲ヶ岳分岐 2.御許山山頂の禁足地 3.大元神社 4.大本八坂神社 5.雲ヶ岳山頂
標高グラフ
10:25 林道御許線の駐車スペース
登山口の案内掲示板
御許山と大元神社の解説および「おもと古道の正覚寺ルート」の表示と周辺観光案内
正覚寺は大字名で 西北側約3kmにある曹洞宗の正覚寺側から登る古道は鳴川登山道 また宇佐本宮大鳥居から
丁石が設置された奥宮参拝古道もある また この正覚寺ルートの入り口にも正覚山賢勝禅寺がありややこしい
正覚寺は大字名で 西北側約3kmにある曹洞宗の正覚寺側から登る古道は鳴川登山道 また宇佐本宮大鳥居から
丁石が設置された奥宮参拝古道もある また この正覚寺ルートの入り口にも正覚山賢勝禅寺がありややこしい
正覚寺登山口
竹製の貸し杖
300m程急坂が続く
等高線に沿った緩やか道
季節的に鳥のさえずりもなく 奥深い山で静寂そのもの
御許山と雲ヶ岳は独立した溶岩ドームで山頂部は長くなだらかな地形を成し 上部は 硬い溶岩類を内包した
比較的柔かい凝灰岩で覆われている 神が宿る岩とは 凝灰岩の風化と共に安山岩などが露出したものである
比較的柔かい凝灰岩で覆われている 神が宿る岩とは 凝灰岩の風化と共に安山岩などが露出したものである
手付かずの自然林が広がる
雲ヶ岳分岐に祀られる如来石仏
参拝古道に祀られた石仏は 御許山が神仏習合信仰の六郷満山が栄えた時代の証左である
参拝古道に祀られた石仏は 御許山が神仏習合信仰の六郷満山が栄えた時代の証左である
10:48 雲ヶ岳分岐
先に御許山の大元神社へ
御許山と雲ヶ岳の鞍部へと下る
御許山と雲ヶ岳の鞍部
千本櫟茸(センボンクヌギタケ)
青木(アオキ)
龍石(りゅういし)
木の幹を脚に 板根を爪に見立て龍が石を掴んでいるように見えることが由来
木の幹を脚に 板根を爪に見立て龍が石を掴んでいるように見えることが由来
すでに神域に入り伐採が禁じられているめ 古木・大樹が多くなってきた ヤブツバキの大樹が多い
神籠石(かみごもりいし)
かつて御許山霊仙寺の僧侶たちが この岩に座り祈りを捧げたと言われ また御許山を訪れる僧侶たちを
出迎える神々がこの岩に集まったという言い伝えが残る この石もまた安山岩の類である
かつて御許山霊仙寺の僧侶たちが この岩に座り祈りを捧げたと言われ また御許山を訪れる僧侶たちを
出迎える神々がこの岩に集まったという言い伝えが残る この石もまた安山岩の類である
静寂の苑 山頂部の自然林と神籠石
11:10 右からの正覚寺ルートとコンクリート舗装の西屋敷登山道合流地点 ここから大元神社まで350m
舗装路は日豊本線の西屋敷駅から平山地区を通り登ってくる林道 駐車場が120mほど下った所にある
舗装路は日豊本線の西屋敷駅から平山地区を通り登ってくる林道 駐車場が120mほど下った所にある
大元神社まで200m
鳴川ルートからの石段と合流
石畳の参道
古い方の鳴川道石段
御神木の大銀杏 枯れて再生中
11:25 拝殿 背後に標高647mの山頂がある
鳥居の奥 禁足地の山内が神聖地(神殿) 拝殿も立ち入り禁止
禁足地内 奥宮の鳥居 この奥に比売大神の御神体とされる三体の巨石がある
大元八坂神社
江戸時代に 比売大神三女神が 記紀に記される天照と須佐之男の誓約から生まれた宗像三女神に例えられ
後に 三女神に相対する場所に須佐之男を祭神とする京都八坂神社を勧請したものと思われる
江戸時代に 比売大神三女神が 記紀に記される天照と須佐之男の誓約から生まれた宗像三女神に例えられ
後に 三女神に相対する場所に須佐之男を祭神とする京都八坂神社を勧請したものと思われる
大元八坂神社 神殿
猫脚灯籠 火袋が90度回転して銘が読めない
神殿裏の疑似山頂 標高632m
(???)
11:46 西屋敷登山道合流地点
通行のため倒木を切ることはご法度ではない
一筋縄ではいかなかった苦労の跡
11:58 雲ヶ岳に寄り道
この後今日一番の登り坂
御許山
安心院町と旧山香町(杵築市)の境
山頂を通過 東の鼻へ
鶴見内山方向 立木が邪魔をしてさほどの展望もなし 山頂へ戻る
山頂のなだらかな道
12:23 山頂
一等三角点 標高:653.9m 点名:雲ケ岳
杵築と別府湾展望 手前の山は標高418.7mの大村山(おおむれさん) 12:41 下山開始
下山道から御許山 13:08 登山口到着