2025.04.07 島根県雲南市木次町木次(きすき) 日本さくら名所百選 斐伊川堤防桜並木

詳しくは斐伊川(ひいかわ)ではなく同河川の支流・久野川の堤防に植えられた桜並木である
県道45号安来木次線(広瀬清水街道または広瀬木次往還)沿いの桜並木を加えると優に3kmを超える距離となる

大原郡木次町の沿革
明治22年(1889)木次町・木次村・斐伊村の区域をもって木次村が発足したのに始まる
明治24年(1891)には町制施行して木次町となる 同時に大字の里方と山方は分離して斐伊村が発足したが
後の昭和26年に合併 以降 日登村・仁多郡の温泉村・三刀屋町の一部を吸収合併した
平成16年(2004)木次・大東・加茂・飯石郡三刀屋・掛合・吉田の5町1村が合併し雲南市が発足した
同日 行政区の島根県大原郡と木次町は廃止されたが 住所名としての木次町が残されている

桜は明治時代から植えられ始めたが 大正時代に堤防土手の保全を理由に伐採された
その後 昭和の初め頃から再び桜が植えられ始めた 植栽をした桜には子供の名札が付けられ
児童と小学校が中心となり町を上げて桜の世話をした また第二次大戦中は燃料用の薪として供出が命じられたが
当時の町長が周辺町村の協力を取り付け 県や軍に嘆願することにより 桜並木を残すことが出来たと伝わる
桜並木を巡る苦難の時代が続いたが 平和が訪れた終戦後は いち早く花見の名所として復活をとげた

木次では 代々桜を専門に手入れする「桜守」なる人々が存在し 桜の保全と増殖に努めた結果として
平成2年(1990)に「日本さくら名所100選」に選定され 木次を「桜の町」として盛り上げる観光事業に着手
桜守制度を正式に発足させ 水上勉の小説「櫻守」をモデルに「桜守」を配置し桜の管理を行う体制を整えた
桜守の仕事は 草刈・枝の伐採・病害虫駆除・消毒・苗木の育成および広報活動など多岐にわたる

現在の木次には数多くの桜並木が存在し 桜の増殖も持続している しかし
特に老木が多い堤防の桜並木は手入れが欠かせない存在となり 旧木次町の「桜のまちづくり基金」の枯渇化も
問題である 近年は雲南市の桜を守る為「ふるさと納税型クラウドファンディング」のプロジェクトを始めた

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木次三刀屋お花見マップ

遥ばると 「日本さくら名所百選の斐伊川堤防桜並木」と「三刀屋川河川敷公園」の桜を見に行く
自宅を7時に出発 南小倉IC-中国道-東三次IC-松江道-木次ICを経由して斐伊川河川敷駐車場に13時50分到着
一日目は 旧木次町の斐伊川堤防桜並木を散策 総距離・約4.5kmを歩く

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斐伊川に沿って全長約2km 約800本のソメイヨシノによる桜のトンネル
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明治時代の桜は残っていないが 昭和初期に植えられたソメイヨシノは100年程の歴史を持つ 一般的に
ソメイヨシノの寿命は60~80年とされており 適切な管理による長寿化でも樹齢100年を超える例は多くない
そのため 気候変動の激しい現状を考えると 長寿化方法の確率もまだまだ手探り状態と言える
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14:08 斜張橋は 県道332号三刀屋木次インター線に架かる木次大橋
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木次大橋は平成6年(1994)に竣工 松江道三刀屋木次ICは 平成15年(2003)3月に供用開始
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支流の久野川と一級河川の斐伊川 上流側に向かって撮影
斐伊川(ひいかわ)は 比婆山系に属す島根鳥取県境の船通山を源流とし 出雲平野から宍道湖へと流れ下る
古くは 出雲平野を西進し日本海へと流出していたが 寛永12年(1635)以降に付け替え工事が成された
古代では 古事記に肥河(ひのかわ)の記述が見られ 別名として「簸の川」と呼ばれることもあった
昔から洪水が度々発生し これが八岐大蛇(やまたのおろち)伝説につながったとされる
その原因は 上流に風化しやすい花崗岩質の山岳地域を持ち 風化した砂礫や土砂が大量に流入したことが
あげられるが 近世の斐伊川上流部における「たたら製鉄」の鉄穴流し(かんなながし)に人工的要因がある
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14:35 願い橋(潜水橋)東詰
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河川敷駐車場
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記念写真
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斐伊川本流と支流の久野川
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14:50 県道271号稗原木次線・木次橋から撮影
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木次橋西詰から久野川右岸堤防の桜
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◁ 久野川右岸堤防の桜パノラマ写真 ▷
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15:13 県道45号安来木次線の桜並木
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15:18 木次健康温泉センター・おろち湯ったり館裏の堤防桜並木 ここから引き返す
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久野川右岸堤防
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オオシマザクラ(大島桜)
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15:36 木次橋東詰
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◁ 堤防桜並木のパノラマ写真 ▷
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16:00 秋葉山の木次公園展望所

斐伊川堤防駐車場からマルシェリーズ・モールに移動して今夜の酒食を購入 残る時間で秋葉山へ登る
車を雲南市営本町無料駐車場へ移動 徒歩で秋葉山を目指す 展望所まで1.1km

秋葉山は標高98.0mあり 室町時代の明徳5年(1394)から応永34年(1427)まで 出雲国守護となった
佐々木兵庫守清三の秋葉山城があったとされる 山内の曹洞宗 大龍山 洞光寺の開基も同氏によるものとされる
南西側の標高約95mのピークに木次公園の展望所があり 斐伊川の桜並木が見下ろせる

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17:04 桜の向こう側が木次公園駐車場 駐車可能台数5台程度
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山上の秋葉大権現社からの展望 木次大橋・マルシェリーズ・JR木次線木次駅
駅の上方 彼方に桜の名所・城名樋山公園(城名樋山城趾) 城名樋山は「きなひやま」と読む
南山麓に国道54号線が通る
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斐伊川堤防桜並木
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中世期の山城跡がある東側の宇山 別名:上宇山城または日登城 城主は宇山飛騨守久信
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木次公園展望所から斐伊川桜並木 放置竹が展望を遮る
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桜並木・県道332号線の木次大橋・国道54号線の里熊大橋・城名樋山公園の桜
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17:23 人道潜水橋の願い橋

午後5時30分 秋葉山を下りる 今夜は「道の駅 さくらの里きすき」で車中泊
ぼんぼりに灯りが灯る頃 国道沿いの桜並木を散歩する 距離は往復約2km

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