2021.03.24 福岡県うきは市浮羽町流川 流川桜並木

浮羽町流川区の巨瀬川左岸両側に 約2kmにわたって約1000本の桜が植栽され桜のトンネルとなっている
昭和64年(1989)流川地区住民がソメイヨシノを植栽したのが始まりとなり
地元住民で組織される「流川桜会」によって維持管理されている 毎年「桜まつり」を開催して募金を募る
そもそも川の堤防や池の堤など 水辺に桜の植栽が始まったのは江戸時代で
人を寄せて堤防を踏み固めるためとされているが 通常は樹木の流出による堤防の決壊を危惧して
内側に桜を植えることは少ない 近年では樹木が根を張ることによって増水時に堤防が決壊するとされ
植栽そのものが禁止されている 一級河川では 堤防の桜並木が撤去されることもあり
今後は堤防の桜並木も減少するものと見られる
巨勢川は 鷹取山(801.6m)南麓のミシケ谷を源流とする 一級河川筑後川の支流である
鷹取山南麓を東に流れ藤波ダムを経て浮羽町朝田で流れを西に転じ 古代律令時代に拓かれたとされる
鷹取・発心山北麓に広がる碁盤目の口分田を潤し 善導寺町木塚で筑後川に合流する
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2021.3.23 15:32 前日の並木道
天気もよく暖かいため人出が多い コロナ感染忌避のため 翌日の早朝に出直すことにする
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2021.3.24 7:43 翌朝の写真
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外側の桜は一部が伐採されている
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7:52 流川橋から川下(西)側
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流川橋から川上(東)側
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「桜」の旧字は「櫻」と書き 「木偏」に「嬰」を当てたはめた文字である
「嬰」は「貝二つ+女」の会意文字で 貝印を並べて 首に巻く貝の首飾りを表し
取り巻く意を含む  ゆえに「櫻」は「木+音符嬰」で花が木を取り巻いて咲く木を表している
別名に「花王」「木の花」「手向け草」「吉野草」「春告草」「夢見草」「あけぼの草」など
大和言葉の「さ・く・ら」の語源は 麗しく咲くことから
「咲麗(さきうら)」 または 「咲く花」の意で「咲くらん」とも言われる
また 別の説では「さ」は稲の精霊 「くら」は精霊の「おわす場」である聖座を表すとされ
春の到来を告げる神が宿る神木であったとも考えられている
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万葉集では 春に咲く花と言えば 梅を詠んだ歌が圧倒的に多いが
桜を詠んだ歌も 長短歌を合わせ四十首以上が確認されている ただ詠み込まれる桜は「山桜」である

あしひきの 山桜花 日並べて かく咲きたらば いたく恋ひめやも    山部赤人
い行き逢ひの 坂のふもとに 咲きををる 桜の花を 見せむ子もがも   高橋蟲麻呂
うちなびく 春さり来らし 山のまの 遠き木末の 咲き行く見れば    作者不詳
桜花 咲きかも散ると 見るまでに 誰れかもここに 見えて散り行く   柿本人麻呂
龍田山 見つつ越え来し 桜花 散りか過ぎなむ 我が帰るとに      大伴家持
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桜並木の西端 堤防が途切れ水門もない無防備の状態
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桜並木東端
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正面に 臨済宗妙心寺派 五葉山 大生寺
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流川諏訪神社から見る桜並木の全景
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桜並木の駐車場周辺を遠望
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