2012.07.15  ヤマトタマムシ(大和玉虫)

コウチュウ目タマムシ科<Buprestidae>ルリタマムシ属<Chrysochroa

玉虫と言えば我々が一般的に思い浮かべるのは 学術的には「ヤマトタマムシ」
学名 <Chrysochroa fulgidissima>のことである
列島中北海道には生息しない 全体に緑色の金属光沢があり 背中に虹のような赤と緑の縦じまが入る
光線の具合によって彩りが変化するため どのようにも解釈ができ判然としないことを
玉虫色というのはこの事に由来する 美しい昆虫として古来より親しまれてきた

天敵である鳥は「色が変わる物」を怖がる性質があるため この金属光沢が防御となっている
夜行性は無く昼間広葉樹の廻りに飛び交い 夜間は葉の裏に潜んでいる
幼虫は枯れ木の材に潜り込み それを餌として生活するため 我が家では薪の中にいるのだと思うが
冬期に暖をとるため燃やしてしまう 忍びないことではある

成虫の「さや羽ね」は 亡骸でも退色しないので古代では装身具に加工されたりした
最も有名なのは 飛鳥時代の法隆寺宝物「玉虫厨子」である

Link:茶の湯美術館 平成の玉虫厨子(たまむしのずし)

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近くにケヤキの大木があり 裏には年中薪を積み上げているので この数年玉虫をよく見かける
しかし玉虫厨子に使われた羽の枚数は 3万6千枚 匹数にして1万8千匹 古代には多くの玉虫が
飛び交っていたのであろうことは 容易に推察できる

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