2007.03.27  ペンペン草

本名はナズナ(薺)春の七草に入る 学名は Capsella bursa-pastoris 昔からある日本の野草なので
万葉集に歌われているかと思えば 七草のうち 万葉集に見られるのは 「芹」だけだそうで
案外といった気分にはなる 弥生時代にムギ栽培の伝来と共に日本に渡来した帰化植物とされる

「薺」なんとも難しい字である 拡大すれば
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と書く

和名であるナズナの由来には諸説ある 春早くに開花し夏には枯れることから「夏無き菜」
撫でたいほど可憐な花から「撫で菜」 朝鮮古語の薺(ナジ)から「ナジ菜」などが転訛したとされる

三角形の種の部分を少し剥ぎ でんでん太鼓のようにくるくる回すと しゃらしゃらと涼しげな音がする
その音から または種の莢が三味線のばちに似ているため 「三味線草」や「ペンペン草」と呼ばれる

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ペンペン草が生えるとは 家が没落する または商いが寂れる様をあらわし
屋根にぺんぺん草が生えることを見て言う言葉である 屋根とは茅葺屋根のことを指す
冬の間 竈や囲炉裏に火を入れず 煙で屋根を室内から燻すことを怠ると 春になって茅に湿気が溜まり
そこにいち早くナズナが生えてくる やがて屋根が腐り抜け落ちて家がかしいで倒れる
冬の間煮炊きもできぬほど困窮したり 夜逃げ等で打ち捨てられた廃屋の運命をナズナで予見して
「屋根にペンペン草が生える」と言うのである このようなたとえに使われる野花は可哀想である

カメラのレンズをぐっと近づけると そこには可憐な4弁の十字花たちが春風にそよぐ

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花言葉 「あなたに私のすべてを捧げます」「あなたにすべてをお任せします」

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