2014.09.14  キセワタ(被綿)

学名:Leonurus macranthus シソ科メハジキ属の多年草
陰暦の9月9日を「重陽の節句」と呼び 嘗ては菊の花びらを入れた「菊酒」をたしなむ伝統があった
菊の花には抗菌作用があり 体に残る夏の火照りを納め 冬に向けて体調を整えたものである
平安時代の宮中行事として 不老長寿を願い 前日の8日夕刻に菊の花に綿をかぶせ
翌朝 朝露と菊の香りに包まれた綿で体を拭き清める「菊被綿(きくのきせわた)の儀式」があった
和名の由来は キセワタが菊に綿を乗せた姿に似ている事から付けられた名前である

北海道から九州にかけ分布し山間の草地に自生する 秋に咲く花で
春に咲く同じシソ科のオドリコソウに似た花を咲かせる
あまり見る機会はなく 北九州市の香春三ノ岳で初めて見た花である
環境省のレッドリスト(2012年)では 絶滅危惧II類(VU)に登録されている
属名の Leonurus は長い花序の形から ギリシャ語の leon(ライオン)+oura(尾)から名づけられた
種小名の macranthus は「大きな花の」という意味の形容詞である

花言葉は不明

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