2013.09.06  ニホンアマガエル(日本雨蛙)

学名<Hyla japonica> 学名に<japonica>が入る日本の固有種で 国内に広く分布する

皮膚の粘膜には 耐菌性の有毒物が分泌されていて 人間の目や口の粘膜に触れると激しい痛みを感じる
また目に入った場合失明する可能性も有し要注意である 生息地は必ずしも水辺とは限らない
多くは樹上に生息し冬期は地中で冬眠する 生息域が人家周辺及び里山域にあり 弥生の昔から
水田の広がりと伝播で分布が拡大したと考えられ DNA的に他の蛙と違い人を恐れることはない

一般に 蛙は水田に水が張られる頃に相応して オスがメスに対しラブコールをおくる
時には夜の大合唱となり これを学術的には「広告音」と呼ぶ しかし雨蛙は繁殖期以外の日中でも
名の通り雨が降りそうになると鳴き出すことで知られている
これは 天気予報のない時代においては農家にとっても重要なことであった
この時の鳴き声は「雨鳴き(あまなき)」 欧米では「レインコール<Raincall>」と言われる

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頭から尻まで1.5cmぐらいの小さな蛙

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蛙の方言
蛙を表す方言はヒキ系とカエル(カワズ)系に分かれる
日本列島の南北にヒキ系 中央部にカエル系が存在する この分布は何を意味するのか興味は尽きない

一般に「ヒキ」はヒキガエル(蝦蟇=ガマ)を言い その語源は 昆虫などを捕獲する場合
長い舌を出して一気に口中に引き込むことから 「引き」が「ヒキ」になったと言われ
それが蛙全般を表す名詞となった 以下知り得た代表的方言を記す
北海道東北:ビッキ 長野:ドンビッキ(大きな蛙) 宮城:ゲロビッキ 栃木:ケェルメ
秩父:ベットコシャー 関東:カエル・カエロ・ゲェロ・ガエルゲーロ・カイル・カエルンボ・カワズ
越後地方・ガェロ・ガッサマン 福井:ギャル
(可愛いギャルと言えば 女性ではなく「可愛い蛙」のことだから福井では言葉に気をつけよう)
愛知:ガェロ 岐阜:ガクタ 近畿:ギャワズ 島根:ギャァコ 広島:ヒキ
北部九州:ビキ・ビキタ・ビキタン 熊本:タンギャク 宮崎:ビッキョ
奄美:ビッキャ 宮古島:フナタ 沖縄:ッタビィ・アタビチャー
その他三重県では 蛙が車に引かれたりしてぺっしゃんこになって干からびているのを「かんぴんたん」
宮城県では「オオバコ草」を「ゲロッパ」と言うらしい

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