2006.10.06  望月(もちづき)

望とは満月になる時 またはその瞬間を表す「時間的表現」で 望月はその時の「月の形」を表現する

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今日は十五夜 中秋の名月である 又の名を「芋名月」とも言う

旧暦では 7月から9月を秋とし 7月を初秋 8月を仲秋 9月を晩秋と呼んだ
それに伴い 仲秋である8月の15日を「秋の中日」として「中秋」と呼んだ
故に「中秋の名月」とは 旧暦8月中日の「望月」を名月として貴ぶことで「仲秋の名月」は誤りである

今年の「望」は十六夜となり一夜遅く満月となる
閏7月が入り秋が長くなって新暦の10月に入ってからの中秋となった 例年なら9月に「中秋」となる

日本を含む東アジア一帯では 旧暦の8月15日頃は芋類の収穫時期が重なり
月見の習わしが始まる以前から 芋の収穫を祝う祭が行われる地域が多く存在した
日本でもその日に サトイモを食べる習慣があったとされるが 山形の芋煮会は別ものである
月見が世俗化する江戸前期の記録によれば 十五夜の日は芋煮を食べて夜遊びをするのが一般的だった
そのため別名の「芋名月」がある 江戸時代中期以降に月見団子などの供え物をする風習が現れたが
江戸後期の『守貞漫稿』に 江戸では球形の 上方ではサトイモの形をした団子を供えると記されている

翌月の十三夜の月を「後(のち)の月」と呼び 食べ頃となった大豆(枝豆)や栗などを供えることから
豆名月や栗名月とも呼ばれる この「十三夜の月見」は日本独自の風習と言われている

また 翌日の旧暦8月16日の夜を「十六夜(いざよい)」という
これは 月の出が平均して毎日約50分ずつ遅れて出ることから 十五夜と比較して
「ためらう」や「なかなか進まない」の意を持つ言葉「いざよう」を当てはめた風流な物言いである

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