2010.01.16  兵庫県三木市志染町御坂(しじみちょうみさか)  御坂のサイホン

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東はりま・加古川「水の新百景」の内 三木市 御坂のサイホン(眼鏡橋)
「御坂のサイホン」は 淡河(オウゴ)川(神戸市北区淡河町)から加古台地への引水のために 淡河川疏水工事が
明治21年(1888)から明治24年(1891)にかけて施工されたとき 山から志染(シジミ)川を経て
向いの山へ導水するために造られたものです 山から川を通って向かいの山へ水を運ぶこの工事は
わが国初(*)のサイホン(噴水管)工法が用いられました 当時としては画期的な大事業で
御坂神社の前を流れる志染川の清流にかかる部分は 眼鏡橋として親しまれています
(*)熊本県山都町にある通潤橋(1854年架橋)は導水石橋アーチとしてサイホン方式がとられています
淡河川疏水は 疏水としては琵琶湖疏水(滋賀・京都)安積疏水(福島)とともに
“三大疏水”に数えられるものですが 大きな特色は他の二つの疏水が国策として建設されたのに対し
淡河川疏水は地域住民が自費で完成させようとしたことです
なお サイホンの設計は わが国初の横浜近代水道を建設し 神戸近代水道の
計画書をつくったイギリス陸軍少将ヘンリー・スペンサー・パーマーによるものです
御坂のサイホンは何度か改修されましたが 眼鏡橋の姿は今でも周囲と美しい調和を保っています
関係河川:美嚢(ミノオ)川・淡河川・志染川
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上流(東)側に石積アーチ橋がある 下流半分はコンクリート製の増築部です
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上流側の石積アーチ橋
下流側のコンクリート製増築部
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橋上部とサイホン送水菅(上流側)
新・旧並ぶアーチ
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