2024.11.24/25 大分県国東市国見町西方寺/千燈 大不動岩屋と鷲巣岳
国東半島は鹿児島の桜島と同じように 火山によって生成された半島で 中央に聳える標高721mの両子山や
それに続く文殊山・千燈岳などは 新生代の両子火山の溶岩ドームと考えられている
その後 雨水によって侵食され 半島中央から放射状に伸びる水量豊富な谷筋を形成し 古くから「二十八谷」と
呼ばれた 谷川に沿って水田が拓かれ邑ができ 後に田染・来縄・伊美・国東・武蔵・安岐の六郷にまとまった
凹凸の激しい峻険な地形と風穴や浸食崖などの岩屋には 鬼が潜むと考えられ恐れられ そして崇められた
後の代に宇佐神宮が建立され 朝廷の庇護を受けて 郷の多くが神領地として荘園が営まれるようになった
郷や邑にはそれぞれ八幡神を祀る宮が造営され 中世以降には神宮寺である弥勒寺が建立されたことと
古来より国東半島の山岳地帯が 鬼伝説を発祥とする山岳信仰の対象であったため
やがては 神宮寺である弥勒寺を中心とする八幡菩薩信仰と天台修験道が融合し 多くの霊場や修験道場が営まれ
独特の山岳仏教文化の発祥地となった 最盛時には65ヶ所の寺院によって「六郷満山」と呼ばれるようになった
2024.11.24 大分県国東市国見町西方寺 大不動岩屋 標高 298m
千燈石仏付近の岩山を西不動と呼び その中で一番大きな岩屋が大不動岩屋である
崖下にぽっかりと空いた岩屋はかなり広く その奥に不動明王が祀られている
国東ストーリー『「くにさき」の寺には鬼がいる』から
鬼が仏になった里「くにさき」。
一般に恐ろしいものの象徴である鬼だが、「くにさき」の鬼は人々に幸せを届けてくれる。
おどろおどろしい岩峰の洞穴に棲む「鬼」は不思議な法力を持つとされ、鬼に憧れる僧侶達によって
「仏(不動明王)」と重ねられていった。 「くにさき」の岩峰につくられた寺院や岩屋を巡れば、
様々な表情の鬼面や優しい不動明王と出会え、「くにさき」の鬼に祈る文化を体感できる。
修正鬼会の晩、共に笑い、踊り、酒を酌み交わす――。 「くにさき」では、人と鬼とが長年の友のように繋がれる。
尻付き岩屋
かつては修験道の行場で 旧千燈寺付属の霊場だった西不動の一つに数えられる 現在は6体の観音像を安置する
その他 西不動には大不動・小不動・太郎天岩屋があり 全て峻険な岩場で妙見岩屋を加えて「五辻の岩屋」という
養老4年 異国降伏の祈祷を仁聞菩薩が5人の同行と行い 不動五壇の秘法を修めた
元は宝篋印経にある陀羅尼を書いて納めた塔のこと 近世以降では供養塔や墓碑塔として建立されることが多い
下山 16:15 約10分で「道の駅 くにみ」に移動 そのまま車中泊して明朝から鷲巣岳に登る
2024.11.25 大分県国東市国見町千燈 鷲巣岳(わしのすだけ) 標高 436.4m
三方を急峻な崖で囲まれたメサ形状の鷲巣岳は 差別侵食によって形成された独立峰である 北部を横断する
林道老子線から尾根を辿る唯一の公認登山道がある その他 南部の大不動岩屋を通るロングトレイル道から
岩のゴツゴツした道をよじ登る強者も存在するがルートは不明瞭である ただ上に向かい登れば尾根道または山頂に
至るので迷うことは無い 昔は行者岳と言われる清浄光寺の修験道場であり 証左として尾根道には大鳥居がある
以前は 山頂から姫島や五辻不動岩などを眺めることが出来たが 樹木が繁茂して見通しが悪くなったと言われる
さらに南へ辿れば 江戸時代に造立された弘法大師石像や役行者・蔵王権現・不動明王が祀られた石祠がある
祠の南に下れば大きな石を背に風天社が南向きに祀られており かつてはこの社から南は女人禁制の場であった
崖下は 旧千燈寺の西不動と呼ばれる修験道場で 太郎天岩屋・大不動岩屋・小不動岩屋などがある
南端の崖上は絶景ポイントで 両子山・千灯岳・ハジカミ山・猪群山・屋山など 国東の山々の眺望が広がる
林道老子線の入口が分からず道に迷った 備忘録として Google Street View で記録しておく