大分県日田市大山町  大久保台梅林

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大山町は嘗て大分県西部にあった町で 平成17年(2005)3月に日田郡前津江村・中津江村・上津江村・天瀬町と
ともに日田市へ編入合併された 編入後も「日田市大山町」として地名は残されている

梅栗植えてハワイに行こう!
政府がまだ米の増産を目指していた昭和36年(1961)に 大山村では米作に不向きな山地の特性を生かすため
作業負担が小さく収益性の高い梅や栗を栽培し さらに梅干し等に加工して付加価値を高め 所得を増やす
第一次NPC運動を開始した NPCとは<New Plum and Chestnut>の略である
そのキャッチフレーズは「梅栗植えてハワイに行こう!」というユニークなもので この運動により
農家の収益が向上し 大山町は全国で最も住民のパスポート所持率が高い町になった
昭和44年(1969)に大山町となった後も 梅は大山町の基幹産物となって
町内のほとんどの農家で梅が栽培されるようになった このNPC運動は 後の一村一品運動の原点となった

一村一品運動 OVOP<One Village One Product movement>
昭和55年(1980)から大分県の全市町村で始められた地域振興運動である
昭和54年(1979)当時の大分県知事であった平松守彦が 大山村(後に大山町)のNPC運動の成功に触発され
各市町村がそれぞれひとつの特産品を育てることにより 地域の活性化を図ろうと提唱した
「ローカルにしてグローバル」という標語のもと「全国・世界に通じる物を作る」という目標を掲げ
あくまで 自主的な取り組みを尊重し 行政は技術支援やマーケティング等の側面支援に徹することにより
自主的に特産品を育てることができる人や地域を育てる「人づくり」「地域づくり」を行おうとした
また 付加価値の高い特産品を生産することによって 農林水産業の収益構造の改善を目指した
大分県の「一村一品運動」は シイタケ・カボス・ハウスミカン・豊後牛・関あじ・関さば・大分麦焼酎など
日本全国に通用するブランドを生み出し 現在 特産品は336品目に増え 生産総額は1400億円に達し
うち 年間販売額が1億円以上の産品は131品目にのぼる
この運動は 日本国内における他の地域や 国際協力機構の青年海外協力隊を通じ
 タイ・ベトナム・カンボジア等 アジアを中心に海外にも広がりを見せている
日本国政府も途上国協力の方策として途上国における一村一品運動を支援している

ひびきの郷・木の花ガルテン
平成2年(1990)農業者によるバザール「木の花ガルテン」を開設
平成10年(1998)に 株式会社おおやま夢工房(豊後大分・大山ひびきの郷)設立
平成12年(2000)に 地元産の有機農作物を使ったバイキング料理の「オーガニック・レストラン」を
「木の花ガルテン」に併設する これらの先進的経営手法は 各地に多くの模倣を生み出す契機となったが
現在 赤字経営が続く第三セクターの株式会社おおやま夢工房が JR九州に売却されることになった
施設の老朽化を含め 模倣された各地各施設との競合に打ち勝つため 新しい展開が常に必要となっている