2017.05.01 夜の温泉津温泉(ゆのつおんせん)

庄屋屋敷前付近の温泉街
温泉津の温泉街に歓楽街などは見られず 古い和風旅館が両側に並ぶ鄙びた風情の街並みである
この古い温泉街は 平成16年(2004)7月に「温泉津町温泉津伝統的建造物群保存地区」の名称で
国の重要伝統的建造物群保存地区として温泉街としては初めて選定された 当初は港町としての選定であったが
後に温泉町という項目も設けられた 温泉津は 中世から近代に至るまで隆盛を誇った石見銀の積出港であった
それにより温泉津港の町は 世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部として登録された
共同浴場として 現在「泉薬湯元湯」と「薬師湯々元」の2軒の湯元が存在する 両浴場はごく近くにあるが
湧出する泉源は別で泉質は同じではない 泉薬湯は室町期の開湯時からの源泉を利用しており
他の旅館へ分湯する程の湯量はない 道を隔てて向かい合う古風な旅館は元湯の直営であるが
館内に内湯は無く共同浴場に通うという 昔ながらの湯治場スタイルを今も続けている
薬師湯は 日本温泉協会による審査の結果 全項目「オール5」の最高評価の天然温泉として認定されている
泉質は含土類食塩泉 源泉温度:元湯が49.9度C 薬師湯は45.9度C 湧出時は透明だが湯船では淡茶褐色となる
特に泉薬湯は 伝えられる開湯が1300年前と古く 伝説では大狸が入浴しているところを発見したものとされる
古くからその効能の高さが知られており 室町時代に仏堂を建立し浴槽を構えて疾病に悩む民を
救済したことから 薬効の高い湯治場として名が広がり温泉津村の誕生の契機となった
中世から近代にかけて村は 石見銀の積出港にもなったことから大いに栄え また山陰道の宿場町でもあった
明治5年に発生した浜田地震により 現在の薬師湯源泉が湧出したことから薬師湯には別名「震湯」の名がある
また薬師湯という名も 以前は「藤乃湯」であったが薬師如来をまつっている事などから「薬師湯」となった
昭和49年(1974)公開の松竹映画 『 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ 』(マドンナ・吉永小百合)の舞台となった
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薬師湯 大正8年(1919)建築の木造洋館
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薬師湯 ガーデンテラス
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1300年の歴史 泉薬湯
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庄屋・内藤家
今日の宿泊地「道の駅サンピコごうつ」まで9.2km 現在の時間は午後20時30分
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