2015.07.25  岡山県新見市豊永赤馬・満奇洞

岡山県指定天然記念物
岡山県新見市東南部に広がるカルスト台地は 阿哲台(あてつだい)と呼ばれ 4つの台地から構成されている
それは 新見市街地の南にあり鬼女洞・無明谷のある高梁川右岸の石蟹郷台(いしがごうだい)
井倉洞・羅生門・草間間歇冷泉のある高梁川左岸の草間台(くさまだい)
満奇洞・宇山洞のある阿哲台東部に広がる豊永台(とよながだい)
新見市街地の東方にあり石灰岩地質が未だ溶食されていない唐松台である
満奇洞のある豊永台は 佐伏・小坂部・備中川の三河川に挟まれた広大なカルスト台地で 森林の多い地区である
この洞は 江戸時代末期 狸猟をしていた猟師により偶然発見されと言われており 阿哲郡誌では
「豊永村赤馬槇の山腹にあり。嘉永年間里人狸を捕へんため穴口を開きしに始まるといふ。
(中略)穴口を入れば高六七尺、入るに従い穴幅漸く広し。進むこと十数間にして天井俄に高く左右亦広し、
之を千畳敷又は大広間と称す。進むに従ひ石鐘、石筍よく発達す。石灰岩の地下水に溶解せるもの
即カルシュウムは穴内に来りて濃厚なる炭酸瓦斯にあふや、再び炭酸カルシュウムと化し、自然の結晶をなして
垂下せるは中空にして氷柱状をなし、滴下せるものは円柱を作る。上なるを石鐘と称し下なるを石筍と称す。
(中略)穴口の鍾乳石の形に従ひ、諸種の名を附せり。(中略)幾百千の石鐘吊下し火光之に映じて
閃々輝々水晶宮と云はんか瑠璃殿と名づけんか、入るに従い奇観盆多し。」
と記され 県内の鍾乳洞では最も早く存在が知られていた 名称の由来は比較的新しく
昭和4年に訪れた歌人の与謝野晶子が 「奇に満ちた洞」と絶賛し
「満奇の洞 千畳敷の 蝋の火の あかりに見たる 顔を忘れじ」と同行した夫・鉄幹の姿を詠んだことから
名付けられたと云われている それまでの名は地名の槇をとって 簡素に「槙の穴」とだけ呼ばれていた
総延長は450m・最大幅25mあり 鐘乳管・つらら石・畦石・カーテン・石筍・石柱が発達し
また小さいながらも洞穴サンゴや曲石なども無数に存在し 鍾乳石の宝庫と呼ばれている
洞内の美しさは ロケ地としても使われた横溝正史原作の映画「八つ墓村」で垣間見ることができる

建部町から落合町を経て北房町に出る 途中南北に長い延長約16kmの旭川ダムに沿って出雲街道を走る
旭川は 蒜山高原の「塩釜の冷泉」を源流とした清流である
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県道30号落合建部線には殆ど車が走っていない
満奇洞
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