2017.06.21 アジサイ紀行2017 佐賀県唐津市相知町 見返りの滝

見帰りの滝(みかえりのたき)は 佐賀県相知町の天山県立自然公園内の松浦川の支流・左伊岐佐川にあり
落差約100メートルの規模は 佐賀県内最大で「日本の滝百選」にも選ばれている 
滝の上流に  昭和54年(1979)伊岐佐ダムができる以前は 豊富な水量と滝壺の深さを共に誇っていた
本流の 大滝を男滝 その左の分流を女滝と呼ぶが ダムの造成以前に比べると滝幅が狭くなっている
背後にそびえる標高887.1mの作礼山は修験道の霊山として信仰を集め 見帰りの滝も山伏修行の道場であった
右岸に 子宝や難病等のご利益が厚いという十一面観音堂をはじめ 不動尊・地蔵尊がある
下流には 「しぶき橋」や「あじさい橋」が架かり 周辺に約40種・4万株のアジサイが植えられ
昭和63年(1988)以降 毎年6月に「見帰りの滝アジサイ祭り」が開催されている
その他 春の桜・夏の深緑・秋の紅葉とそれぞれが滝を彩る
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「見帰りの滝」が文献に現れたのは文化3年(1806)に収集された『松浦記集』である 
『…小龍門滝 伊岐佐村、一に見帰りの滝といふ、この滝実に絶景なり…』と“帰り”の文字が用いられていた
「見帰りの滝」は 伊岐佐にあった浄方寺の朴心が名付けたとされ 元禄時代に俳諧を広めた人物でもあった
古来より相知は文人墨客の遊行の地として知られ 浄方寺の所在する地を「桃原」と名付けていた
一般的には「見返り」とするが なぜ “返り”ではなく“帰り”としたなのかは判然としないが
「かえる」「かえす」の意味を持つ「返」にはない また同じ場所に戻るという意味が「帰」にはあり
再度振り返り見るだけではなく 一度は立ち去ってはみたが 心残りに再度急坂道を登ってでも
「もう一度みたい滝という意味が込められている」と伝わる
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常連さんの話では 今年の花付きはかなり悪いとのこと 私の記憶でも もっと咲いていたような気がする
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寒色系のアジサイ 青から青紫の花言葉は
「冷淡」「無情」「高慢」「辛抱強い愛情」「あなたは美しいが冷淡だ」
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アジサイ(紫陽花) 学名<Hydrangea macrophylla> アジサイ科アジサイ属の落葉低木
広義的にはアジサイ属全てを表す名称であるが 狭義においては「手まり咲き」と呼ばれるホンアジサイを指す
学名の<Hydrangea>はギリシャ語の<hydro=水とangeion=小さな容器>から「小さな水瓶・水壺」を表し
macrophylla>は「大きな葉の」という意味である 和名である「あじさい」の語源は判然としないが
「藍色の集合」を意味する「集真藍=あづさあい」が訛ったとされる説が最も有力とされる
『万葉集』では「味狭藍」「安治佐為」 平安時代の『和名類聚抄』では「阿豆佐為」の字があてられている
現在 漢字表記に用いられる「紫陽花」は 唐の詩人・白居易が別の花(おそらくライラックと思われる)に
付けた名で 平安時代の学者・源順がこの漢字を誤ってあてたことから広まったといわれている
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アジサイの原種は 日本に自生する額紫陽花(ガクアジサイ)<H. macrophylla f. normalis> で
房総半島・三浦半島・伊豆半島・伊豆諸島・南硫黄島・北硫黄島などの海岸に自生しハマアジサイとも呼ばれる
花序は多数の両性花を中心として装飾花が周りを「ガクブチ」のように縁取ることから名付けられた
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ホンアジサイ<H. macrophylla var. macrophylla>は ガクアジサイの変種だが起源は不明である
花序は「手まり咲き」と言われる装飾花のみからなり 種子ができないため挿し木や株分けで増やす
古くは 日本から中国へ伝わったものが18世紀頃にヨーロッパへ伝播し 多くの園芸品種が作られた
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「土佐緑風」などのヤマアジサイは 緑色の花を咲かせる別種<Hydrangea serrata> だが
亜種<Hydrangea macrophylla subsp. serrata>とする説もある
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ウズアジサイ<Hydrangea macrophylla cv. Uzu-azisai>は ウイルスに侵されたものが園芸品種として
定着したとされ 江戸時代に創出された 別名「お多福紫陽花」とも呼ばれている
特徴は装飾花の萼片が内側にまるまって皿状になり 渦を巻くように見えることから名付けられた
アメリカでは「ポップコーンあじさい」とも呼ばれている

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見帰りの滝
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暖色系のアジサイ ピンクから赤紫色の花言葉は「元気な女性」を表し
たくさんの花が付くことからは 「一家団欒」「家族の結びつき」など
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アジサイは 花の色がよく変わることから「七変化」「八仙花」とも呼ばれる
花言葉も 色が変わっていくことから 「移り気」「浮気」「変節」などがある
花の色はアントシアニンという色素によるもので アジサイにはその一種のデルフィニジンが含まれている
これに補助色素(助色素)とアルミニウムのイオンが加わると 青色の花となる
一般に土壌のpHが「酸性ならば青 アルカリ性ならば赤」になると言われているが これはアルミニウムの
イオン化に土壌のpHが影響するためである 酸性だとアルミニウムがイオンとなって土中に溶け出し
アジサイに吸収されて青色となる 逆にアルカリ性であればアルミニウムは溶けず吸収されないため赤色となる
同じ株でも花の色が違うのは 根から吸収されるアルミニウムの量に差が出るためである
ただし品種によって遺伝的な要素が強く青色にならないものもある
また 老化によっても花色が変化する 最初は花に含まれる葉緑素のため薄い黄緑色を帯びているが
葉緑素の分解とともに赤や青に色づく さらに日が経つと有機酸が蓄積され青色の花も赤味を帯びてくる
色の変化が少ない白アジサイは 品種の遺伝子による作用である
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ウズアジサイ
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アジサイの原種であるガクアジサイの花言葉は 「謙虚」
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白いあじさいの花言葉は 「寛容」
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