別荘という選択肢

バブル期に 雨後のタケノコのように現れた別荘地は
大半が原野を切り開いた場所で 生活するには不便と言える 近くに商店も病院も無いような所が多い
私も一度別荘という事で検討したこともあるが 原野の割には地代が高く
開発形態も新興住宅地とさほど代わらない
雛壇型に切り開かれた狭い急傾斜地に所狭しと並ぶ建築群は 私に恐怖を抱かせた
条件のよい場所は以前から開発された高級別荘地で 入手方法・価格ともにハードルは極めて高い
また維持管理の費用も大きい 別荘とは自己管理により維持されていく物で たいそうな手間暇がかかり
維持費も大きい 時々朽ち果てた別荘らしき物を散見するのは 何よりもそれが証拠かとも思う

食料を持ち込み自炊するという形態も 女房殿にはなかなか理解しがたいものである
布団の上げ下ろし・掃除・食事などの日常から解放され 知らない土地を巡る非日常の時間は
別荘では得がたいものである 別荘を建てる程の資金が有るのなら
老後に「旅をする方が良い」というのが女房殿の結論であろう
「男の隠れ屋」的発想は 女にとっては摩訶不思議な物でしかないのである
img
私が暮らすこの土地でも別荘の建築用地にと何度か話があったそうだが その都度不発に終わっている
居住者として地域自治体では受け入れ難く 将来的には廃屋として捨て置かれる心配もある
住まなくなったとしても 購入した土地を更地に戻す必要は法的にも無く また土地が次つぎと
転売を重ねることで土地の利用条件が無視される恐れもある
産廃処理場などが出来てしまえば 環境が破壊されることもある
土地という物に関しては 「田舎人」はデリケートであり 金銭の問題だけではない
但し ふる郷を捨てた「元田舎人」にとっては 故郷の土地は「金の成る木」ではあるらしい

結論的に別荘など田舎生活などといえる性格でもないし 都会の悪しき個人主義がまかり通る田舎タウンである
意見のまとまりもなく 利害が対立し 合議をはかっても出席しなかったり
会議日はけっして別荘を訪れない人たちも存在し 管理組合役員の「なり手」すら少ないという

要は別荘などけっしてお薦めできる様な物ではないという事である 但し 有り余る資産を保有し
尚且つ 箱根や軽井沢など 由緒ある別荘地に管理人や使用人を雇用できるほどの方には 無粋な意見ではある