憧れの田舎暮らし

単純に田舎に住むと言っても 人によりそれぞれ意味あいが違うようだ
Uターンで古郷に帰る人 都会を離れ別荘を建てる人 Iターンで農業を目指す人
しかし私たち夫婦は いずれの理由にもあてはまらない気がする 妻は野菜の自給自足を目指す
UターンでもIターンでもなく ただ自分たちが食すものは自分で作りたいという発想から行動している
新鮮で安全な有機野菜を作りたいと思っているようだが 夫である私は農業に関してはあまり興味がない
私は無機質的物体を加工造作するのが特技でこれを趣味としているので いわゆる「工人」なのだ
私的には他者に気兼ねなく 大工道具を使うことが夢ではあった
「耕人と工人」が それぞれ違った自分たちの「小さな欲求」を満たすべく田舎での生活をと思い立つ
海より山が好きという理由もあり 希望する場所は山間部の閑村という事に落ち着いた

若い頃より旅行や山歩きの時など 理想とするような場所があれば 「ここで住めたら」と常々思いをめぐらせ
「大会社の保養所管理人」などを理想的職業としていた 一度は「ペンション経営」を真面目に考えた事もあった
特に信州などに旅すればそのように強く感じていたのだが 突然予想外の九州への転勤を命じられてしまった

今から思えば 突然の九州転勤が一つ目の転機だった 一年間の赴任予定が延び延びになり 子供が生まれ
漸く10年を経て中古住宅を買った途端突如転勤の辞令がきた 赴任を拒否して会社を辞め地場企業へ再就職
その後脱サラをして独立する パソコンの導入により仕事のやりとりはメール・成果はメール添付で送付など
仕事の「I・T」化が進み SOHOという言葉が出現して 俄に田舎暮らしの夢が現実味をおびてきた
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自分でも気付かないまま夢の実現に近づいた頃 家族3人なのに2人乗りのスポーツカーを買ってしまった
しかし この「家族から非難ごうごうの車」が 夢の実現へと繋がるとは思ってもみなかったことであった
仕事の「I・T」化が進み 田舎での生活を実現するため どこに住むべきかを思い悩んでいたとき
車の「オーナーズ・クラブ」にきていた農業青年に 「田舎生活したいのだけど土地有る」って聞いてみたら
答えは簡潔で 「いっぱいあるけど見に来ます」と軽く言われてしまった

そして今「いっぱいある土地」の片隅200坪にわが家がある 大阪から突然の転勤 家を買ったらまた転勤
深く考えず直感で会社を辞め 後に脱サラなど ころころ変化する人生に 何が災い何が幸いするか知れない

ともあれ夢を持ち続けたこと 会社が変わっても同じ仕事を続けられたこと 仕事以外の友人を持てたこと
そして「耕人」と「工人」の思いがいつも通じ合っていたことが一番「幸い」だったようだ