関西鉄道の蒸気機関車

関西鉄道の形式番号は原則的に同形機の最初の番号でもって表す他
別途クラス別に日本名による命名が際だち 古典文学に登場する駿馬(名馬)の名が多く見られる

img
●加茂機関庫に待機する蒸気機関車
<左>形式30 35号機−電光 英国ダブス社製
   2-6-0(1C)形テンダ機 鉄道院7850形
<中>形式3 27号機−池月 英国ダブス社製
   2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院500形
<右>形式21 73号機−磨墨
   英国ナスミス・ウィルソン社製
   2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院形式870形

img
●蒸気機関車(創業期に輸入)
形式1 1・2号機
英国ダブス社製
0-6-0(C)形タンク機 鉄道院1270形
製造年 1888・1889年
1900年売却 上武鉄道・七尾鉄道
写真は売却後の上武鉄道1号機

img
●蒸気機関車−池月(いけづき)
形式3 3−8・11−13・26−29号機
英国ダブス社製
2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院500形
製造年 1888-1890・1894・1897年

img
●蒸気機関車−池月 第2種
形式3 52−56号機 旧大阪鉄道 1−5
英国ダブス社製
2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院500形
製造年 1888・1889年

img
●蒸気機関車−池月 第3種
形式3 59−68号機 旧大阪鉄道 8−17
英バルカン・ファウンドリー社製
2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院700形
製造年 1894-1896年

img
●蒸気機関車−池月 第3種
形式3 69−71号機 旧大阪鉄道 18−20
英ナスミス・ウィルソン社製
2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院600形
製造年 1897年

写真は甲武鉄道の同形

img
●蒸気機関車−飛龍(ひりょう)
形式9 9・10号機 英国ダブス社製
4-4-0(2B)形テンダ機 鉄道院5450形
製造年 1890年

写真は日本鉄道のピーコック社製・初期5300形

日本鉄道が1882年に輸入したピーコック社製のテンダ機の仕様で 英国ダブス社に発注した2両
大まかな仕様はピーコック社製と同じだが 前輪の軸間や前輪の位置及び全長などに違いがある  テンダは2軸
山陽鉄道が同時期に発注したピーコック製後期形は
テンダが3軸に変更されている
img
写真は日本鉄道同型機・初期5300形 Peacock社製

img
●蒸気機関車−雷(いかずち)
形式14 14−16・78・79号機
英国ダブス社製
0-6-2(C1)形タンク機 鉄道院2100形
製造年 1896・1903年
写真は同型機の東海道線鉄道作業局110号機

img
●蒸気機関車−望月(もちづき)
形式17 17−20号機 旧浪速鉄道 1-4
米国ボールドウィン社製
0-6-0(C)形タンク機 鉄道院1000形
製造年 1894・1895・1896年

img
●蒸気機関車−磨墨(するすみ)
形式21 21・22・46−51・74−77号機
英国ナスミス・ウィルソン社製
2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院870形
製造年 1897・1898・1902年
資料によれば14両発注とあり 上記の号機数では2両分不足する 加茂機関区の写真にある73号機は当機と判断される
上記の理由から72・73号機が存在していたと思われる


写真は国有化後の姿
コンプレッサー及びエアータンクは後装 連結器も交換

img
●蒸気機関車−鬼鹿毛(おにかげ)
形式23 23−25号機
米国ブルックス社製
2-6-0(1C)形テンダ機 鉄道院7650形
製造年 1897年
明治30年 亀山−加茂間の勾配区間用に採用

img
●蒸気機関車−電光(いなずま)
形式30 30−39・122・123号機 英国ダブス社製 2-6-0(1C)形テンダ機 鉄道院7850形
加茂−大仏間・名古屋−網島間が全通した明治31年(1898)亀山−柘植間の加太越と大仏線黒髪山越の
急勾配区間で使用するため 英国ダブス社にキャブ後方窓に社紋を入れるなどの特注仕様で10両を発注
国有化前年の1906年にも ダブス社後身のノース・ブリティッシュ・ロコモティブに2両追加発注された
加太越は25‰(25/1000)あり 黒髪山越も同等の勾配であったため
この蒸気機関車が使われたとされる  車体は赤く塗装され「真紅の英国貴婦人」とも呼ばれた

imgimg
●蒸気機関車−早風(はやかぜ)
形式40 40−45・107−109号機 米国ピッツバーグ社製 4-4-0(2B)形テンダ機  鉄道院6500形
製造年 1898・1906年
名古屋−網島全通に合わせ急行列車用として導入 動輪直径・1575mmは当時としては国内最大級

img
●蒸気機関車−駒月(こまずき)
形式57 57・58号機 旧大阪鉄道 6・7
英国ダブス社製
2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院220形
製造年 1891年

57号機 → 220形220 → 西武鉄道 3号機
東京都豊島区の昭和鉄道高等学校の敷地内に保存

img
●蒸気機関車−小鷹(こたか)
形式80 80・81号機 旧紀和鉄道 5・6
独国クラウス社製
0-4-0(B)形タンク機 鉄道院10形
製造年 1894年
元は九州鉄道の29・33号機 1900年に紀和鉄道に譲渡
九州鉄道19号機 → 鉄道院26号機 → 大分交通へ譲渡
現在は宇佐神宮境内に保存
写真は九州鉄道の同形11号機

img
●蒸気機関車−鷦(ともづる)
形式82 82−85号機 旧紀和鉄道A1形 1−4
米国ブルックス社製
2-4-2(1B1)形タンク機 鉄道院450形
製造年 1897年

img
●蒸気機関車−隼(はやぶさ)
形式86 86号機 旧紀和鉄道B2形 8
米国ボールドウィン社製
0-6-0(C)形タンク機 鉄道院1180形
製造年 1900年
元は高野鉄道6号機 → 紀和鉄道 → 関西鉄道 → 鉄道院
→ 養老鉄道 → 常総鉄道 → 防石鉄道6号機 → 浅野製鉄
写真は防石鉄道6号機 1925−1937年

img
●蒸気機関車−鵯(ひよどり)
形式87 87号機 旧紀和鉄道B3形 8
米国ボールドウィン社製
0-6-0(C)形タンク機 鉄道院1370形
製造年 1902年
関西鉄道 → 小倉鉄道C1形 → 国有鉄道

img
●蒸気機関車−千早(ちはや)
形式88 88−92号機 旧南和鉄道 1-5
英国ダブス社製
0-6-0(C)形タンク機 鉄道院1480形
製造年 1895・1901年
1919年全車両を八幡製鉄に譲渡

img
●蒸気機関車−春日(かすが)
形式93 93−97号機 旧奈良鉄道 1−5
米国ボールドウィン社製
2-6-2(1C1)形タンク機 鉄道院3030形
製造年 1894年
写真は国有化後の3031号機(関西鉄道94号機)
煙突が筒型に 緩衝器撤去 連結器変更

img
●蒸気機関車−三笠(みかさ)
形式98 98−104号機 旧奈良鉄道 6−12
スイス ウィンターツール(SML)社製
2-6-0(1C)形タンク機 鉄道院2800形
製造年 1897・1898・1899年

img
●蒸気機関車−雷(いかずち)
形式14 105・106号機  米国ボールドウィン社製
0-6-2(C1)形タンク機 鉄道院2500形 2666・2667
製造年 1906年

写真は鉄道作業局所属2500形
img
左の形式図は 関西鉄道の2500形 2666・2667号機
運転台が密閉式で蒸気ドームの形状やオーバーハングの長さなど細部が異なる

追風
●蒸気機関車−追風(おいかぜ)
形式110 110−121号機
米国アメリカン・ロコモティブ社ピッツバーグ工場
アメリカン・ロコモティブ社は1901年にピッツバーグ社を含む八社の機関車製造会社が合併して設立された
4-4-0(2B)形テンダ機 鉄道院6000形
製造年 1906年
写真は国有化後の6000号機(関西鉄道110号機)
コンプレッサー及びエアータンクは後装
性能良く1949年まで使用された
<Prev    TOP   Next>